アーセナルに復活の兆し エメリ政権2年目の「希望」

リチャード・ジョリー
アプリ限定

今季のアーセナルはひと味違う。ここまで全公式戦を通じて5勝2分け1敗。トッテナム戦とアストン・ビラ戦では、いずれも窮地に立たされながら勝負強さを見せ、貴重な勝ち点をつかんだ 【Getty Images】

 アーセナルがポジティブな序盤戦を送っている。欧州王者のリバプールには力負けしたが、これが唯一の敗北で、近年欠けていた粘り強さも見せている。ウナイ・エメリ政権が2年目を迎えたチームには、実際、希望を抱かせる要素が少なくない。新戦力の活躍、若手の台頭、さらに戦術の浸透も着実に進んでいる。リバプールやトッテナムが力をつけてきたこともあり、ここ数年は成績が振るわず、リーグ内での存在感が薄れていたが、久しぶりに楽しみなシーズンになりそうだ。

※リンク先は外部サイトの場合があります

一人少ない状況で終盤に逆転

 ノースロンドン・ダービーがハーフタイムを迎えようとしていた時、アーセナルは2点を追っていた。今季のプレミアリーグ第4節、トッテナム戦は0−2で前半を終えようとしており、ホームチームの“ガナーズ”(アーセナルの愛称)は連敗の危機に直面していた。

 それは、近年の英国の首都におけるパワーバランスをそのまま反映しているようだった。昨季のチャンピオンズリーグ(CL)で準優勝したトッテナムと、過去3シーズンのプレミアリーグでその宿敵の後塵を拝したアーセナル。2016−17シーズンを最後にCLの舞台にも立っていないアーセナルは、この試合でもこのまま敗れてしまうのではないかと思われた。

 ところが、その午後はこれまでとは違った。前半のアディショナルタイムにアレクサンドル・ラカゼットが1点を返すと、後半にはピエール=エメリック・オーバメヤンが同点ゴールを決めて引き分けに持ち込んだのだ。

 翌節のワトフォード戦は2点を先行しながら追いつかれる真逆の展開となったが、第6節アストン・ビラ戦では再びたくましさを見せた。前半41分にエインシュリー・メイトランド=ナイルズが退場となり、一人少ない不利な状況での戦いを強いられたアーセナルは、2度先行を許す苦しい展開から終盤の2ゴールで逆転勝利を収めたのだ。

 さらにヨーロッパリーグ(EL)では白星スタート(ドイツのフランクフルトを3−0で撃破)。リーグカップの初戦でも、フットボール・チャンピオンシップ(2部)のノッティンガム・フォレストを5−0と寄せつけなかった。今季のガナーズはここまで好印象を残しており、ファンに期待感を抱かせている。
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント