悩める名門マンチェスター・U「低迷脱出への5人のキーマン」

リチャード・ジョリー
アプリ限定

開幕戦でチェルシーに4−0と快勝し幸先のいいスタートを切ったものの、その後の5試合でわずか1勝。今季もここまでの戦いぶりはパッとしない。一日も早く名門復活への足がかりをつかみたい 【Getty Images】

 栄華を極めたサー・アレックス・ファーガソン時代の終焉後、出口の見えない長いトンネルに迷い込んだマンチェスター・ユナイテッド。第6節まで終えた今季のプレミアリーグでも、2勝2分け2敗で9位と調子が上がらない。イングランド随一の名門が低迷期を脱し、復活を果たすためには何が必要か。現地ジャーナリストがキーマンとして名前を挙げたのは5人の男たちだ。

※リンク先は外部サイトの場合があります

投資総額は1000億円以上

 フットボールを観るようになってまだ何年も経っていないファンの目には、マンチェスター・Uはどんなクラブに映っているのだろうか。

 2013年にファーガソンが監督の座を退くまで、ユナイテッドはこの名将が指揮した27年間でリーグ優勝13回、チャンピオンズリーグ(CL)制覇2回など栄光を欲しいままにした。1991−92シーズンからは22シーズン連続でトップ3フィニッシュ。これはイングランド1部リーグにおける最長記録だ。

 しかし、ファーガソンの勇退後、迷走を続けてきたチームにかつての常勝軍団の面影はない。この6シーズンで3位以内に入ったのは、ジョゼ・モウリーニョが率いて2位に食い込んだ17−18シーズンのみ。4位以上のチームに与えられるCLの出場権は3度も逃している。

 その間、ビジネスという観点では成功を収めてきたクラブは、新戦力にも、「ポスト・ファーガソン」にも大枚を叩いてきた。6年間で選手獲得に投じた金は、総額でおよそ9億ポンド(約1200億円)。フットボールをよく知らない門外漢が、移籍交渉や選手売買の決断を担うようになったクラブは、他のクラブに足元を見られ、適正価格を上回る要求額を飲んで安易に契約してしまうのだ。

 しかも、そうして獲得した選手の多くが期待を裏切ってきた。アンヘル・ディ・マリア(現パリ・サンジェルマン)やアレクシス・サンチェス(現インテル)がその代表例だ。

 昨シーズン途中にモウリーニョ監督を解任し、クラブのレジェンド、オレ・グンナー・スールシャールを後任に迎えると、チーム状態は上向いた。だが、その好調も一時的で、劇薬の効果が薄れるとチームの足取りはまた不安定になり、結局6位に終わっている。

 悩める名門が長いトンネルから抜け出し、本来あるべき姿を取り戻すためには、誰が、何をすべきか。クラブ再建のカギを握るキーマンを、現場、フロントを問わず挙げてみたい。
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント