豪州でGI初挑戦メールドグラース 現地でも上位人気、大仕事の予感
鞍上はD.レーン、ハンデも恵まれた
G3を3連勝中で現地でも人気を集めているメールドグラース(写真は2019年鳴尾記念) 【photo by Shuhei Okada】
コーフィールドCは2014年にアドマイヤラクティが優勝し、2006年にはデルタブルースが3着、2005年にもアイポッパーが2着と、これまで9頭の日本調教馬が出走して3頭が入着と高い実績を残している。そのうちデルタブルースこそ菊花賞でG1勝ちの実績があったものの、アドマイヤラクティはG3ダイヤモンドステークスを1勝のみ、アイポッパーに至っては重賞未勝利(入着歴はあり)という実績しか持ち合わせていなかった。
それらに対してメールドグラースは新潟大賞典、鳴尾記念、そして小倉記念と前走までG3を3連勝中。2着との差はそれほどでもないが、いずれもワンサイドというべき完勝を収めており、明らかにクラス上位の実力を示している。重賞未勝利の身でハンデ55.5kgを負担した昨年のチェスナットコートと同じ斤量というのも恵まれた印象がある。現地ではすでに高い注目を集めており、ブックメーカーの前売りでは上位人気。未経験の2400mは課題になるものの、2200mまでなら勝ち鞍があり、新潟大賞典と鳴尾記念でコンビを組んだ地元のD.レーン騎手を鞍上に迎えられるのも心強い。
フィンシュら欧州から移籍組に要注意
現地のオッズでメールドグラースと人気を争っているフィンシュ(写真は2019年キングストンタウンステークス) 【Photo by Getty Images】
また、フィンシュはフランスから豪州に移籍した経歴を持つが、昨年はコーフィールドCもメルボルンCも欧州からの遠征馬が制しており、今年も欧州出身馬には警戒が必要となるだろう。メールドグラースと同じハンデ55.5kgで人気の一角に挙げられているムスタジアーは、前走のイボアハンデキャップ勝ち後にコーフィールドCとメルボルンCを狙って豪州へ移籍した。5月のG1タタソールズゴールドカップ(2100m)で3着の実績もあるが、その実はマジカルに11馬身余り離されており、馬場が平坦でスピード優先の豪州では、今回よりもメルボルンC向きかもしれない。
同様にアイルランドのA.オブライエン厩舎から移籍したコンスタンティノープルの評価が高い。しかし、実績では僚馬のロストロポーヴィチに分があり、昨年も豪州に遠征してコックスプレートとメルボルンCで5着と現地の競馬に目途を立てている。英国から遠征してくるミラージュダンサーにも香港ヴァーズで先着した。ゴールドマウントは香港から英国へ再移籍して今回は豪州遠征。つかみ所のない馬だが、昨年のG1クイーンエリザベス2世カップでパキスタンスターの2着があり、英国での前2走はリステッドとG3で連対と安定している。
地元勢の日本産馬ウォルフは母ピースオブワールド
また16日のG3クーンジーカップを勝って優先出走権を得た日本産馬のウォルフにも注目。父ノヴェリスト、母は2002年にG1阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったピースオブワールドの良血馬で、レ−ス間隔は気になるが期待したい。
これら新興勢力に対してベテラン組も負けてはいられないところ。日本でもおなじみの9歳馬ハートネルは、コックスプレートからコーフィールドCへ予定変更。ただ、2016年のメルボルンCで3着の実績こそあるものの、2000mを超える距離は約2年ぶり、トップハンデの58kgと条件は厳しい。これに対してプリンスオブアランは昨年のメルボルンCで3着の実績あり。前哨戦のハーバートパワーステークスではザチョーズンワンの2着も、昨年の3着より前進しているうえ、両馬の関係ではハンデ差も2kg減。当落線上の除外対象ではあるものの、出走なれば脅威となりそうだ。
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