川内優輝物語 -ゴールなきマラソンマン- 第8話 名声と引き換えにしたもの
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抜き打ちで行われるドーピング検査の実態
AM5時だったか6時だったか。海外に滞在していたある日の早朝、宿泊先のホテルのドアがたたかれた。
通常なら驚くところかもしれない。ただ何が起きたかすぐにピンとくると、ベッドから出てドアを開ける。すると、そこにはスーツを着た白人の紳士が2人、大きなカバンを抱えながら立っていた。
「ドーピング検査です」
【(C)井上正治】
ドーピング・コントロールは基本、抜き打ちで行われる。そのため選手はあらかじめ各競技の団体などを通じて検査機関に自身の居場所を明確にし、確実に滞在している時間帯などを知らせなければならない。日中は仕事やトレーニング、食事などで滞在先を留守にする可能性が高いため、多くのアスリートは仕方なしに早朝や深夜の時間帯に設定している。そのため、検査員がやってくるのは自然と選手にとっては“迷惑な”時間帯になってしまうのだ。
いまでこそドーピング検査は、決して楽ではないものの、手際よく済ませられるようになった。ただ、初めてとなれば緊張もあり、そうはいかない。
川内にとって最初のドーピング検査は初の海外遠征だった08年、大学4年時のニューカレドニア・モービル国際マラソン(ハーフ)に出場した際だった。いまでは笑い話だが、検査員がずっとそばにいる状態で、尿が出るまでに3時間以上掛かった苦い経験がある。
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