連載:欧州移籍マーケットの「勝者」と「敗者」

日本人プレーヤーの欧州移籍を読み解く  安部、冨安、中島は活躍できるのか?

構成:YOJI-GEN
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2部とはいえ、念願のスペイン移籍を決めた香川真司。気合いのほどはヘアスタイルの変化にも表れている 【写真は共同】

 ある者は日本から欧州へ、ある者は欧州内の別のクラブへ。レアル・マドリーに加入した久保建英を筆頭に、今夏は日本人選手の欧州移籍が目立った。新天地における彼らの評価はいかなるものか、彼らの選択は正しかったのか。バルセロナ入りした安部裕葵、イタリアにステップアップした冨安健洋、ポルトガルに復帰した中島翔哉を中心に、日本人選手の欧州移籍を読み解く。

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安部のバルサ入りは久保の影響!?

負傷や書類の問題で出遅れた安部裕葵。だが、バルサも即戦力ではなく、将来性を見込んで獲得している。まずはスペインでの生活に慣れることが重要だ 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 安部のバルセロナB加入をバルサが発表したのは7月15日のことだった。鹿島アントラーズはすでに両クラブ間での移籍合意を伝えていたが、メディカルチェックをパスし、契約書にサインした段階で初めてバルサが公にしたのだ。

 その1カ月前、6月14日に久保のレアル・マドリー移籍が決まっている。バルサユースで育った久保がマドリーに寝返った、とマドリードの地元メディアは小躍りするように伝えた。

 久保サイドが望んだ条件は後々、バルサにとって問題の火種になる可能性が高く、のめるものではなかったが、久保の獲得断念とライバルチームへの加入がここまで騒ぎに発展したのは、バルサにとっても想定外だっただろう。次第に、バルセロナの現地メディアが、バルサは別の日本人選手の獲得を狙っている、と報じるようになる。

 世界中にスカウトを置くバルサが、安部に目をつけていたのは間違いない。そのことを、筆者はクラブ内部の関係者から直接、聞いている。しかし、久保のマドリー加入からわずか1カ月の安部獲得は、久保をライバルに奪われて憤る地元メディアによる強力なプレッシャーがあったから、との見方が地元では一般的だ。スペインにおけるメディアの力は侮れない。

 そうした背景を踏まえても、安部のバルサB加入は正解だったのか?
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