獲ったら負け(?)のネイマール争奪戦 バルサとマドリーの「引けない事情」とは
「パリSG残留」という選択肢は、もはやネイマールには残されていないようだ。バルサ復帰か、マドリーへの移籍か。夏の移籍マーケット終盤戦を盛り上げるホットな話題だ 【Getty Images】
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プレシーズンの低調で方針を転換
ミゲル・リコ(以下リコ):昨今のフットボール界において、選手というのは善悪を超越した存在になっている。特にバルサに在籍するようなトッププレーヤーはね。個人的には、ネイマールの復帰はマイナスの側面のほうが大きいと思っているよ。けれど、あれだけの選手が帰ってくるってことは、チームにとってはやはり歓迎すべきことなんだ。2年前、我を通して出て行ったネイマールが、今こうして再び我を通してバルサに戻りたがっている。その事実が重要なのさ。だけどミゲリート(M・A・ディアスの愛称)、マドリーだってとやかく言える立場じゃないだろ? 「ネイマールは必要ない」という当初のスタンスを翻して、横やりを入れてきたわけだから。
M・A・ディアス:状況が変わったのさ。数カ月前の時点では、ネイマールはこの夏にパリ・サンジェルマンを出て行かないと踏んでいた。そして、新シーズンのラ・リーガ開幕を迎えるこの時期には、ジネディーヌ・ジダン監督に全権を託した大型補強の成果が徐々に表れ、チーム状態は上向いているとの確信もあったんだ。
リコ:ところが、その目論見に狂いが生じた?
M・A・ディアス:ああ。プレシーズンマッチで彼らが見せたパフォーマンスは、低迷を極めた昨シーズンまでとなんら代わり映えがしなかった。そうして、チームに対する不安や疑問の声がにわかに大きくなりつつあった時、降って沸いたようにネイマールを獲得するチャンスが到来したんだ。低空飛行を続けるチームにとって、間違いなくカンフル剤となりうるビッグネームで、実際、一部では待望論も叫ばれている。ただ、故障がちな体質やスキャンダルにまみれたプライベートなど、ネイマール自身と彼を取り巻く状況は、なにひとつ変わっていない。そもそも、それが当初、ネイマール獲得を見送るとの結論に至った理由でもあるわけだからね。はたしてジダンが諸手を上げて歓迎するかと言えば、大いに疑問だよ。
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