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熱を帯びるイタリアダービー“場外戦”
軍配が上がるのはユーベ? インテル?

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超逸材デ・リフト(左)の争奪戦を制したユーベに対し、インテルはビッグネームのルカク(右)、ゴディンらを陣容に加えている
超逸材デ・リフト(左)の争奪戦を制したユーベに対し、インテルはビッグネームのルカク(右)、ゴディンらを陣容に加えている【Getty Images】

 セリエA8連覇中のユベントスは、アーロン・ラムジー、アドリアン・ラビオという実力者に加え、今夏の移籍市場で最大の注目株のひとりであるセンターバック(CB)の超逸材、マタイス・デ・リフトの獲得にも成功。悲願のチャンピオンズリーグ(CL)優勝へ、戦力の増大を図っている。だが一方で、この絶対王者の牙城を崩すべく、新監督にアントニオ・コンテを迎えたインテルも負けじと大規模な補強を展開。ディエゴ・ゴディンにロメル・ルカク、若手有望株のニコロ・バレッラ、ステーファノ・センシらを手に入れた。白熱するイタリアダービー“場外戦”は、はたしてどちらに軍配が上がるのか。

古巣ユーベへのリベンジマッチ

 今シーズンのセリエAは、例年になく「不確定要素」に満ちている。


 王者ユベントスを筆頭に、インテル、ミラン、ローマとビッグクラブがそろって監督交代に踏み切り、新たな指揮官の下でプロジェクトをスタートさせた。言ってみれば、昨シーズンまでの状況にシャッフルがかかった状態だ。そして開幕が迫った今、各チームの動向からは、過去数年続いた「ユベントスのひとり勝ち」という構図にひびが入りそうな兆候が見えてきている。


 そのひとつは、新監督にマウリツィオ・サッリを迎えたユーベの出遅れと混乱であり、もうひとつはコンテを指揮官に迎えて大刷新に踏み切ったインテルの着実な積み上げだ。


 ユーベはこの夏、在任5シーズンでリーグ優勝5回、コッパ・イタリア優勝4回、CL決勝進出2回(いずれも準優勝)という際立った結果を残してきたマッシミリアーノ・アッレグリ監督と決別するという思い切った決断に踏み切った。チームに明確なスタイルを与えるよりも、相手や状況に臨機応変に対応して戦うアッレグリの結果至上主義的な考え方に限界を感じ、スペクタクルと結果を両立できる新たな指揮官を招聘(しょうへい)して、クラブ・チームとしての人気とステータスをさらに高めようというのが、その背景だった。


 実際、クラブ首脳陣が理想とする後任候補はジョゼップ・グアルディオラであるとも言われ、一部のマスコミが昨シーズン終了直後に「ユベントスとグアルディオラが年俸2400万ユーロ(約28億5000万円)の3年契約で合意、6月4日に発表会見」という“フェイクスクープ”を打ち、かなりの人がそれを本気で信じたという出来事もあった。


 最終的に新監督に選ばれたサッリは、2年前までナポリを率いて、緻密な戦術に裏打ちされたスペクタクルなポゼッションサッカーを展開。ほかでもないユーベを土壇場まで追い詰めたこともあるマニアックな戦術家だ。クリスティアーノ・ロナウドやミラレム・ピヤニッチらを擁するユーベの強力な陣容で「あのサッカー」を実現できれば、アンドレア・アニエッリ会長以下クラブとサポーターの悲願である1995−96シーズン以来のCL制覇も――というのが、期待される最も美しい今シーズンのストーリーである。

片野道郎

1962年仙台市生まれ。95年から北イタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。2017年末の『それでも世界はサッカーとともに回り続ける』(河出書房新社)に続き、この6月に新刊『モダンサッカーの教科書』(レナート・バルディとの共著/ソル・メディア)が発売。

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