攝津正が説く、山岡泰輔“飛躍のカギ” 屋外と苦手打者克服で真のエースへ
今季は安定した投球を続ける山岡について、沢村賞右腕の攝津正氏に話を聞いた。
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「なんでこの数字で終わっているんだろう」
7月のパ・リーグ月間MVPを受賞したオリックス・山岡泰輔。かつての沢村賞右腕・攝津正氏はどう見ているのか 【写真は共同】
投球割合の約35%を占め、被打率も1割5分3厘と優秀なスライダーは、山岡の投球の軸となるボールだ。2018年は2割1分3厘だったことを考えると、その威力はさらに増していると言えそうだ。チェンジアップも同1割8分2厘と優秀な数字を残しており、割合としてはこの2球種だけで43%と、全投球の半分近くに達している。
【データ提供:データスタジアム株式会社】
初球ストライク率の向上で見えたもの
【データ提供:データスタジアム株式会社】
今季の初球ストライク率は、昨季より6.7%向上している。それによって、従来よりもカウント有利の局面を作りやすくなり、奪三振率の上昇(2017年は8.02、18年は7.46に対し、19年は8.34)にもつながっていると推測できる。なお、月間MVPを受賞した7月も、奪三振率10.41という先発投手としては抜群の数字を誇った。また、初球ストライク率の向上は、「与四球率の改善」にも直結していると考えられる。実際、17年が3.25、18年が3.02という数字だったのに対し、今季は2.49と、目に見えた変化が生じている。
攝津氏による「球の質」、データから見えてきた「攻め方の変化」。これが山岡が安定感を増す一助となっていると言えそうだ。
7月16日東北楽天戦の5回表、スライダーで空振り三振を奪う。この試合では、味方打線の1点のリードをきっちりと守り抜く好投を見せた。