2025年プロ野球・12球団戦力ランキング
記事
いよいよ2025年のペナントレースが開幕、それを前に今季のセ・パ12球団の戦力を数値化。「打力」(30点満点)、「機動力」(10点満点)、「投手力」(30点満点)、「守備力」(10点満点)、「選手層」(10点満点)、「経験」(10点満点)、の6項目に分けて評価した。“混セ”&“熱パ”の長く険しい戦いを制するための「戦力」が整っている球団は、果たしてどこだ!?
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解説
昨季のリーグ覇者が総合力1位&2位

それぞれ特色のある12球団。項目別に「打力」ではソフトバンクとDeNA、「機動力」では楽天、「投手力」では巨人、阪神、「守備力」では巨人、楽天がトップ評価。さらにチーム全体の「選手層」や監督の采配も含めた「経験値」を加味し、「総合力」を弾き出した。
その結果、昨季のパ・リーグ王者であるソフトバンクが総合力「87」で12球団トップとなった。正捕手・甲斐拓也が退団したことで守備力を「6」評価としたが、昨季のチーム防御率2.53はリーグトップ、チーム打率.259と114本塁打も12球団トップで、そこから和田毅が引退、石川柊太がFA移籍し、代わりに上沢直之、浜口遥大、上茶谷大河が加入するなど若干の選手の入れ替えはあったが、投打ともに戦力は充実している。開幕を前に主力に故障者が続出しているのが気がかりではあるが、若手の成長もあって選手層は厚く、特に近藤健介、柳田悠岐、山川穂高、栗原陵矢が居並ぶ打線は破壊力は抜群だ。捕手問題が課題だが、昨季12球団最少失策数で守備は固い。例え開幕直後は苦しい戦いが続いたとして間違いなく浮上し、優勝争いに加わるはず。戦力通りの戦いができれば再び独走する可能性もある。
セ・リーグでトップとなったのが、総合力「83」の巨人だ。昨季15勝の菅野智之が抜けたことで先発陣には不安が残るのは致し方ないが、成長が期待される若手陣、掘り出し物の石川達也、ベテランの田中将大など先発候補は多くいる。そして何よりリリーフ陣が強力。長年に渡って中日の絶対的守護神だったライデル・マルティネスを獲得し、大勢、バルドナード、ケラー、高梨雄平、船迫大雅と磐石の陣容。そのブルペンの安心感によって投手力は「29」となった。4番・岡本和真への負担が大きい打線の得点力が課題だが、マイナーで実績のあるキャベッジ、アピールと続ける浅野翔吾、中山礼都の若手の成長もあって選手層は厚くなった。近年は守備力も高く、阿部慎之助監督の“守り勝つ野球”も浸透し、昨季の失策数はソフトバンクに続いて少ない。そこに経験豊富な甲斐拓也が加わったのだ。チームの総合力は高く、リーグ連覇のための戦力は整っている。
打倒Gを目論むセの2球団

続いて全体3位となったのが、総合力「79」の阪神だ。自慢は「29」評価の投手陣。開幕時では村上頌樹、才木浩人、西勇輝、門別啓人、ビーズリーに、新外国人のデュプランティエ、ドラフト1位ルーキーの伊原陵人という面々で、シーズン途中から大竹耕太郎、髙橋遥人、伊藤将司が戻って来るはずの先発陣の層は厚く、リリーフ陣も抑えの岩崎優に、中継ぎのゲラ、桐敷拓馬、石井大智、さらに育成入団から支配下登録されたばかりの新人右腕・工藤泰成がMLBカブス戦でも剛腕を唸らせ、一気にブレイクの予感。投手陣に不安は少ない。打線は昨季苦しんだだけに評価は抑えたが、近本光司、佐藤輝明、森下翔太、大山悠輔、そして前川右京と個性豊かな面々が噛み合えば、大きく“上振れ”する可能性を秘める。長年の課題である守備、そして指導経験のない藤川球児監督1年目ということで経験値も抑え気味の評価となったが、その部分への不安が払拭されれば、巨人と並ぶ、あるいは超える戦力値までアップする。
さらに昨季3位から日本一に駆け上がったDeNAも総合力「79」で阪神と並び、優勝争いの加われる戦力を有している。特に打線は強力で「28」評価。牧秀悟、宮﨑敏郎、オースティン、佐野恵太、筒香嘉智と揃い、昨季飛躍を遂げた梶原昂希が期待通りに働けば、攻撃の多彩さ、機動力向上という意味でも大きい。選手層、チームの経験値も昨季の戦いでアップしている。東克樹に頼りっ切りだった先発投手陣が課題になるが、2年ぶりに復帰したバウアーの存在が大きい。中4日の登板で結果を残してきた右腕の加入は、1.5人分の戦力アップと言える。もう一つの課題が、昨季12球団ワーストの96失策を記録した守備で評価は「5」だ。ただ、昨季のポストシーズンでは高い集中力を見せて“守り勝つ野球”も披露し、チーム全員が重要性を理解しただけに、ここが戦力値としての“伸びしろ”となる。
僅差の5球団、日、ロ、楽、オ、広

全体の5位から9位までの戦力値は僅差となったが、その5チーム中4チームが、パ・リーグ球団となった。
5位は総合力「75」の日本ハムだ。昨季2位と躍進したチームは、投手力、打力ともに評価「24」。先発陣では伊藤大海、加藤貴之、山﨑福也の2ケタトリオが頼もしく、昨季飛躍の足がかりを掴んだ北山亘基と福島蓮も非常に楽しみだ。昨季、ソフトバンクに次ぐ得点数と本塁打数を記録した打線も、万波中正、清宮幸太郎、水谷瞬、レイエスと魅力たっぷりの面々が揃う。新庄剛志監督から開幕4番に指名された野村祐希が期待に応えられれば、この「25」評価はさらにアップする。現状、ソフトバンクと比べると見劣りするのは確かだが、選手たちがシーズン中に成長するばその差を縮めることは大いに可能。2022年から2年連続で最下位に沈んだチームが、着実な積み上げによって今季は開幕時点で間違いなくAクラス争いに加われる戦力を整えている。
そこに昨季3位ロッテが総合力「74」で続く。吉井理人監督3年目となり、チーム全体の経験値も高まっている中で、戦力も整ってきた。先発投手陣は、小島和哉、西野勇士、種市篤暉に、新外国人のボス、FA移籍の石川柊太が加わり、中森俊介、田中晴也の期待の若手もおり、枚数は揃っている。リリーフ陣も昨季覚醒した鈴木昭汰に、横山陸人、国吉佑樹、澤村拓一などおり、評価「25」で悪くない。一方、ソト、ポランコの助っ人コンビに頼る形になる打力が「23」の評価。ただドラフト1位ルーキーの西川史礁がオープン戦から結果を残しており、この大卒スラッガーがシーズン開幕後も打ち続ければ、数値は上がる。その西川に刺激を受け、安田尚憲、藤原恭大、上田希由翔のドラ1組の飛躍にも期待が集まる。
楽天は総合力「73」となった。先発投手陣が、昨季11勝を挙げた早川隆久と藤井聖の同期入団左腕コンビ、ベテランの岸孝之、大卒2年目の古謝樹、助っ人のヤフーレ、ハワードという陣容で、リリーフ陣には藤平尚真、鈴木翔天、そして守護神・則本昂大がいるが、昨季12球団ワースト防御率ということもあって、投手力「23」の評価。野手陣では注目のドラフト1位ルーキーの宗山塁が1年目からどのような活躍を見せるかに注目だが、スラッガータイプではないだけに一気にチーム全体の打力がアップする訳ではなく、監督交代によって経験値も評価「5」となった。それでもロッテと1差の総合力になったのは、小郷裕哉、小深田大翔、辰己涼介と昨季20盗塁以上をマークした選手3人を擁する機動力「9」、さらに守備力「8」も12球団トップレベルの評価だったこと。選手個々の能力は決して低くないだけに、チーム一丸の戦いを演じれば優勝争いにも加われるはずだ。
さらにオリックスも総合力「73」で並ぶ。投手力は非常に高い。宮城大弥、田嶋大樹、曽谷龍平、エスピノーザに昨季は期待に応え切れなかったが能力は申し分ない山下舜平大、東晃平、そこにFAで実績十分の九里亜蓮が加わった先発陣は実に豪華だ。リリーフ陣では3月になって吉田輝星、宇田川優希の2人がトミー・ジョン手術を受けたことは大きな痛手となるが、それでも「28」の高評価だ。一方、機動力と守備力が評価「5」と振るわず。そして打力も「21」止まり。昨季のチーム打率、チーム本塁打数は、最下位の西部に次ぐリーグワースト2位。新外国人のディアス、昨季は不審に喘いだ頓宮裕真に期待だが、オープン戦では結果が出ていない。森友哉、西川龍馬のFA加入組に太田椋、紅林弘太郎、宗佑磨の高卒生え抜き組と“名前”はあるだけに、それぞれが確かな結果を残して打線が噛み合えば、再び優勝争いは可能になる。
この“混パ”の中にいるセ・リーグ球団が広島だ。総合力は日本ハムと同じ「75」。その中で高評価となったのが「26」の投手力だ。FAで九里亜蓮が抜けたが、大瀬良大地、森下暢仁、床田寛樹の三本柱に、新外国人のドミンゲスとプロ4年目の森翔平がオープン戦で好調。そこに玉村昇悟、常廣羽也斗、佐藤柳之介の若手人が加わる先発陣は楽しみが大きい。リリーフ陣も揃っており、抑えの栗林良吏が今季も安泰なら問題ない。課題は打力「23」止まりの打線。特に長打力不足は大きな懸念点。ただ、モンテロ、ファビアンの外国人を補強しており、彼らの開幕後にしっかりと働くことができれば、得点力はアップするはず。そして負傷離脱した正捕手・坂倉将吾がどのタイミングで復帰できるかも大きな鍵になる。昨季は9月に急失速しただけに最後までチームとしての体力を残しておきたい。
下位3チームは前評判を覆すことができるか

2年連続Bクラスのヤクルトは、総合力「70」となった。開幕直前に村上宗隆、山田哲人のチームの顔がともに離脱する離脱する事態に見舞われているが、彼らが揃い、塩見泰隆が復活し、サンタナ、オスナが健在の打線は破壊力があり、「25」の高評価。だが、昨季リーグワースト防御率3.64の投手力が「21」と厳しい評価となった。ただ、オープン戦でもまずまずの投球を見せて開幕投手に指名された奥川恭伸が復活して柱になれれば、高橋奎二、吉村貢司郎、小川泰弘、石川雅規に、アビラ、ランバートの新外国人と枚数は揃う。あとは抑えでバウマンが働けるかどうか。うまくハマる可能性もあるが、未知数な部分が多い。髙津臣吾監督を含めて優勝を経験した選手も多く強みにしたいが、ここからさらに怪我人が出れば一気に危うくなる。
昨季セ・リーグ最下位だった中日は、総合力「67」となった。こちらは昨季12勝&防御率1.38の髙橋宏斗を頼れるエースに、評判高い新外国人のマラー、そして柳裕也、大野雄大、涌井秀章、松葉貴大とベテラン勢が揃う投手力が「25」だが、昨季から小笠原慎之介と絶対的守護神マルティネスが抜けたことで抑え気味の評価。ドラフト1位ルーキーの金丸夢斗が期待通りに1年目から働くことができればアップする。課題は昨季リーグワーストだった1試合平均2.6得点だった打線。新外国人のボスラーに期待したいところだったが、コンディション不良で開幕は絶望的。細川成也に加えて、石川昂弥、中田翔がどこまで打点を挙げられるか。井上一樹監督1年目で経験値も評価「5」となり、全体の数値が伸びなかった。
その中日と並び、西武も総合力「66」でパ・リーグワーストとなった。課題は中日と同じ得点力。昨季の1試合平均得点は、DHがありながら中日よりもさらに悪い2.4得点だった。補強としては前オリックスのセデーニョと初来日のネビンを獲得し、ドラフト2位ルーキーの渡部聖弥がオープン戦では4番に抜擢されたが、この中軸候補がシーズンを通してどこまで働けるかは未知数だ。投手陣、特に先発陣は今井達也、髙橋光成、隅田知一郎、與座海人、武内夏暉、渡邉勇太朗と揃う。二軍監督として選手たちを熟知している西口文也新監督の手腕に期待したいが、野手陣の戦力が他球団と比べると非常に物足りない。
果たしてペナントレース開幕前のこの戦力値を、開幕後の“サプライズ”によって覆すことができるか。三国志演義の中で『男子、三日会わざれば刮目して見よ』との言葉があるが、各チームの選手たちが試合を重ねながら成長する姿を、そしてチームが大きく生まれ変わる瞬間を、見せてもらいたい。