オリックス勢が投打で傑出、その理由は? アナリストが選ぶ月間MVP<2019年7月>

データスタジアム株式会社
 連載「アナリストが選ぶ月間MVP」。データスタジアム社の野球アナリストが、さまざまな数値を基に各月のプロ野球月間MVPを選出していく。

 今回は7月分を紹介。セ・パ両リーグでナンバーワンに輝いた選手は誰か!?

オリックス・吉田正は自慢のフルスイングを継続しながら質の高い打撃を披露 【写真は共同】

 打撃、守備、走塁、そして投球。さまざまな角度から選手を評価する指標がWAR(Wins Above Replacement)だ。WARの示す数字は、控えクラスの選手を起用した場合と比較して何勝分チームに貢献できたかを表す。本企画は、この総合指標WARを用いて両リーグの「月間MVP」、そして新人王の資格を持つ選手による「新人月間MVP」を選出する試みである。

※選出部門:野手部門、投手部門、新人部門(セ・パ両リーグで各1名ずつ選出)
※データは2019年7月終了時点のもの、注釈がなければ7月の月間成績
※新人王の有資格者:海外のプロリーグ経験なし、初めて支配下登録されてから5年以内。投手は前年までの1軍の登板イニング数が合計で30回以内、打者は前年までの1軍の打席数が60打席以内。

パ・リーグ野手部門:吉田正尚(オリックス)

【データ提供:データスタジアム】

 パ・リーグ野手部門は、僅差で吉田正尚(オリックス)が制した。7月は26日の福岡ソフトバンク戦で相手エース・千賀滉大から2打席連続本塁打を放つなど、リーグ2位タイの7本塁打、リーグトップの21打点をマーク。97打席に立って6三振のみと、自慢のフルスイングを継続しながら質の高いバッティングを披露した。

 同級生の吉田正に遜色のない貢献度だったのが茂木栄五郎(東北楽天)だ。昨年は度重なる故障で本領を発揮できなかったが、大型連敗の影響で月間8勝14敗と沈んだチームにあって、走攻守のすべてで輝きを放った。

 4位には中村剛也(埼玉西武)がランクイン。7月19日のオリックス戦(メットライフ)で延長11回に通算400号となるサヨナラアーチをかけるなど、月間7本塁打と健在ぶりを示している。

セ・リーグ野手部門:坂本勇人(巨人)

【データ提供:データスタジアム】

 セ・リーグの野手部門は、巨人の中軸を務める選手が上位を占めた。リーグトップの坂本勇人は、この期間でともにリーグ2位となる7本塁打、20打点を記録。7月下旬には不振の岡本和真に代わって4番で起用され、4試合で15打数8安打をマークするなど、打順を問わず快音を響かせた。

巨人勢がワンツーフィニッシュを決めたセ・リーグ野手部門。7月も坂本勇の活躍は目を見張った 【写真は共同】

 2位に入った亀井善行は、打率.216に終わった先月と打って変わって、月間打率.404と絶好調だった。7月28日に37歳の誕生日を迎えたベテランながら、守備や走塁でもチームにプラスをもたらしていることも併記しておきたい。ちょうど10年前の2009年に25本塁打を記録した男が、今まさに“第2の全盛期”を迎えている。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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