連載:夏を待つ高校野球の怪物たち

大分で2人の逸材が飛躍を待つ 伊志嶺監督も惚れ込む極端な個性

加来慶祐
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個性の異なる投打の軸

 2006年に八重山商工を離島勢初の自力甲子園出場に導き、現在は大分県の日本文理大附で指揮を執る伊志嶺吉盛監督のもとで、個性の異なる投打の逸材が目前に迫った夏の開幕を待ちわびている。

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東門寿哉(写真左)と翁長佳辰(写真右)は人生をかけた夏に向けて「覚悟」はできている 【撮影:加来慶祐】

――翁長佳辰(おなが・けいたつ)
 沖縄県石垣市出身。178センチ、73キロのスラリとしたシルエットとは裏腹に、直球が最速147キロの快速球右腕。縦のスライダー、フォーク、カーブを操り、大分大会の前哨戦にあたる5月の県大会で4試合中3試合に登板し優勝投手に。この大会ではもともと定評のあった直球の制球力とゲームメーク能力に加え、スタミナ面での向上も存分にアピールした。
「連休中の8連投後ということもあり、肩に張りがある中でいかにコースを突いた投球ができるか。思ったより球速が落ちることもなく、体力をセーブするところ、力を入れるとことの投げ分けもしっかりできた。何試合投げても体力が落ちなかった点は大きな自信になりました」

――東門寿哉(あがりじょう・としや)
 沖縄県国頭郡金武町出身。高校通算本塁打は12本だが軌道の美しいフルスイングの迫力とインパクトの強さは圧倒的で、外野手としても小学校2年時に100m走で沖縄県1位に輝いた俊足を活かして、広大な守備範囲をカバーする。広角にヒットを量産できるうえにここへ来てパンチ力もアップ。ゴールデンウイークの17連戦ではほぼ全試合に出場し、5割6分以上の高打率を残した。
「持ち味はフルスイングと守備。打撃にやや波があるものの、ここへ来て安定した成績を残せるようになりました。糸井嘉男さん(阪神)のようにどの方向にも強い打球を打てるように、また、秋山翔吾さん(埼玉西武)のような広いミートゾーンでコンタクトできる打撃をイメージしています」
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著者プロフィール

1976年大分県竹田市生まれ。東京での出版社勤務で雑誌編集などを経験した後、フリーランスライターとして独立。2006年から故郷の大分県竹田市に在住し、九州・沖縄を主なフィールドに取材・執筆を続けているスポーツライター。高校野球やドラフト関連を中心とするアマチュア野球、プロ野球を主分野としており、甲子園大会やWBC日本代表や各年代の侍ジャパン、国体、インターハイなどの取材経験がある。2016年に自著「先駆ける者〜九州・沖縄の高校野球 次代を担う8人の指導者〜」(日刊スポーツ出版社)を出版した。

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