連載:夏を待つ高校野球の怪物たち

世代最高左腕を争う興南・宮城大弥 「圧倒的な投球」で3年連続の甲子園を狙う

加来慶祐
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7キロの増量でさらにパワーアップ

3年連続の甲子園出場を目指す興南・宮城 【写真は共同】

 興南・宮城大弥の投球スタイルはとにかく「パワフル」のひと言に尽きる。インステップに地面をつかむ右足の踏み込み、腕の振り、最速149キロに達したボールの強さ。いとも簡単に狙って奪う三振の山、スライダーとチェンジアップの球筋……。そのすべてが力強く、見る者すべてを唸らせる説得力を帯びているのだ。172センチと上背はないが、体重はこの半年ほどで7キロ増し、77キロまでパンプアップされた。背中の大きさ、腰回りの骨太感も含め、見た目の印象でも“強さ”を醸し出している。
 中学時代は宜野湾ポニーズに所属し、U−15侍ジャパンにも選出された。興南進学後は2年連続で夏の甲子園出場を果たした。今春は沖縄大会で優勝し、九州大会は準優勝。中堅手で先発出場し、試合展開によってリリーフする形が主だったが、計8試合で50回を投げ、奪三振77という圧巻の投球を繰り広げている。とくにここへ来て奪三振力が際立ってきた。遊び球を必要としない3球三振が多く、そのほとんどを空振りで奪っている点も宮城ならではだ。

 九州大会で宮城と対戦した打者のコメントからも、その壮絶さが伝わってくる。
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著者プロフィール

1976年大分県竹田市生まれ。東京での出版社勤務で雑誌編集などを経験した後、フリーランスライターとして独立。2006年から故郷の大分県竹田市に在住し、九州・沖縄を主なフィールドに取材・執筆を続けているスポーツライター。高校野球やドラフト関連を中心とするアマチュア野球、プロ野球を主分野としており、甲子園大会やWBC日本代表や各年代の侍ジャパン、国体、インターハイなどの取材経験がある。2016年に自著「先駆ける者〜九州・沖縄の高校野球 次代を担う8人の指導者〜」(日刊スポーツ出版社)を出版した。

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