宝塚V導く25歳レーンの好判断騎乗 紅一点リスグラシュー世界が見えた圧勝劇
牝馬の宝塚記念Vは史上4頭目
上半期を締めくくる宝塚記念はメンバー中唯一の牝馬リスグラシューがV、鞍上レーンの好騎乗も光る一戦だった 【スポーツナビ】
リスグラシューは今回の勝利で通算20戦5勝(うち海外2戦0勝)。重賞は18年GIエリザベス女王杯、18年GIII東京新聞杯、16年GIIIアルテミスステークスに続き4勝目。レーン、矢作芳人調教師ともに宝塚記念初勝利となった。
牝馬の宝塚記念制覇は史上4頭目となる 【スポーツナビ】
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好位2番手からの競馬、実は想定外だった
「びっくりするくらい強かったですね。調教師という立場ではなく、競馬を見ている一人の人間として感動しました。それくらい今日のレースは強かったです」
目を丸くしながらそう語ったのはリスグラシューを管理する矢作調教師。この破格の競馬自体もそうだが、もう1つ、トレーナーを驚かせたことがあった。それが道中2番手のポジションだ。「誰も2番手から行くなんて思っていなかったと思います」と当事者が言うのだから、これは陣営が決めていた作戦ではない。調教師が伝えた指示は、ゲートを気をつけるように、ただこれだけ。その後のことはすべて鞍上のダミアン・レーンが描いたものだった。
ジョッキー自身も想定外だった好位2番手からの競馬、だが流れを見てのとっさの判断が勝利に導いたと言える 【スポーツナビ】
「リスグラシューのこれまでのレースをVTRで見て、色々な競馬ができる馬だと思っていましたが、理想としては前に壁を作って中団で折り合うレース。でも、スタートしてみたら、そうはならなかった。ただ、スタートが良かったですし、手応えも良かくて流れに乗っていました。それにこのペースだったら、この位置がいいだろうと思って2番手から行きました」
理想とはまるで違う、前に壁を作らない形での2番手追走。それでもレーンはとっさの判断で「仕上がりは完ぺきだったし、このレベルの馬なら想定していた形とは違った競馬でも耐えてくれる。自信を持って乗りました」。結果、これがリスグラシューを勝利へと導く好判断となった。