宝塚V導く25歳レーンの好判断騎乗 紅一点リスグラシュー世界が見えた圧勝劇

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牝馬の宝塚記念Vは史上4頭目

上半期を締めくくる宝塚記念はメンバー中唯一の牝馬リスグラシューがV、鞍上レーンの好騎乗も光る一戦だった 【スポーツナビ】

 JRA競馬の上半期を締めくくるグランプリレース、第60回GI宝塚記念が23日に阪神競馬場2200メートル芝で行われ、ダミアン・レーン騎乗の3番人気リスグラシュー(牝5=栗東・矢作厩舎、父ハーツクライ)が優勝。好位2番手から直線一気に突き抜け、史上4頭目となる牝馬での宝塚記念制覇を達成した。良馬場の勝ちタイムは2分10秒8。

 リスグラシューは今回の勝利で通算20戦5勝(うち海外2戦0勝)。重賞は18年GIエリザベス女王杯、18年GIII東京新聞杯、16年GIIIアルテミスステークスに続き4勝目。レーン、矢作芳人調教師ともに宝塚記念初勝利となった。

牝馬の宝塚記念制覇は史上4頭目となる 【スポーツナビ】

 なお、3馬身差の2着には1番人気に支持された川田将雅騎乗のキセキ(牡5=栗東・角居厩舎)が逃げ粘り、さらに2馬身差の3着にはミルコ・デムーロ騎乗の6番人気スワーヴリチャード(牡5=栗東・庄野厩舎)。クリストフ・ルメール騎乗の2番人気レイデオロ(牡5=美浦・藤沢和厩舎)は5着に敗れた。

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好位2番手からの競馬、実は想定外だった

 日本の牝馬はアーモンドアイだけではない。出走メンバーの紅一点、リスグラシューが5頭のGI馬を含む牡馬11頭を文字通り一蹴してみせた。2着キセキに3馬身。文句なしの圧勝劇だ。

「びっくりするくらい強かったですね。調教師という立場ではなく、競馬を見ている一人の人間として感動しました。それくらい今日のレースは強かったです」

 目を丸くしながらそう語ったのはリスグラシューを管理する矢作調教師。この破格の競馬自体もそうだが、もう1つ、トレーナーを驚かせたことがあった。それが道中2番手のポジションだ。「誰も2番手から行くなんて思っていなかったと思います」と当事者が言うのだから、これは陣営が決めていた作戦ではない。調教師が伝えた指示は、ゲートを気をつけるように、ただこれだけ。その後のことはすべて鞍上のダミアン・レーンが描いたものだった。

ジョッキー自身も想定外だった好位2番手からの競馬、だが流れを見てのとっさの判断が勝利に導いたと言える 【スポーツナビ】

 と言って、この好位2番手からの競馬に関しては「レース前はそういう戦略ではありませんでした」と、レーン本人も思っていなかった想定外の競馬だったという。

「リスグラシューのこれまでのレースをVTRで見て、色々な競馬ができる馬だと思っていましたが、理想としては前に壁を作って中団で折り合うレース。でも、スタートしてみたら、そうはならなかった。ただ、スタートが良かったですし、手応えも良かくて流れに乗っていました。それにこのペースだったら、この位置がいいだろうと思って2番手から行きました」

 理想とはまるで違う、前に壁を作らない形での2番手追走。それでもレーンはとっさの判断で「仕上がりは完ぺきだったし、このレベルの馬なら想定していた形とは違った競馬でも耐えてくれる。自信を持って乗りました」。結果、これがリスグラシューを勝利へと導く好判断となった。

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