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鷹詞〜たかことば〜
ホークスが仕掛けるチケット購買の変革
AIチケットとは何か?
多くのホークスファンが詰めかけるヤフオクドーム。その興奮や高揚感はチケットを購入した時から始まっている
多くのホークスファンが詰めかけるヤフオクドーム。その興奮や高揚感はチケットを購入した時から始まっている【(C)SoftBank HAWKS】

 球場でプロ野球観戦をするワクワクした興奮や高揚感は実際、プレーボールよりもずっと前に始まっている。たぶん、チケットを手に入れた瞬間から心に熱が宿るのだ。


 その昔はプレイガイドで行列に並んだ経験をお持ちの方もいるはずだ。電話先着で何度も何度も“リダイヤル”を押しまくった人もいるだろう。現在はインターネットが主流になってきた。チケットの購入方法は時代とともに進化している。


 今年、ヤフオクドームに足を運んだファンは世界最大級に巨大化したホークスビジョンで、まず間違いなく目にしたCMがあるはずだ。もしくはホークス球団公式サイトで流れているのを見た方もいるだろう。


「AIチケット、買ってみた」


 元ホークスの投手で現球団広報の江尻慎太郎氏が出演しているそれは、仕組みを分かりやすく、かつ、ちょっとコミカルに描いている。なかなかの演技力も手伝ってインパクト大だ。


 では、AIチケットとは何ぞや――?

 せっかくなので、江尻氏にその仕組みや魅力を聞いてみた。

セ球団からも反響のあったCM

――まず、CMがなかなか好評のようですね。


「ありがとうございます(笑)。ファンの皆さまはもちろん、ホークスの選手たちからも『見ましたよ』と声をかけてもらっています。一番驚いているのは、ビジター球団の選手や関係者かも。特に交流戦期間中はセ・リーグの方々からの反響が数多くありました。私はベイスターズでも数年間プレーしていたので、その時に知り合った人もたくさんいます。ホークスに来るとリーグが違うので会う機会も減っていたためか、『あれ? そんなに(長く)ホークスに居たの?』とかよく言われるというか、イジられます(笑)。先日も同い年の福留(孝介)選手(阪神)に言われました」


――端的に、AIチケットとはどういったものでしょうか?


「過去の販売実績データに加えて、リーグ内の順位や対戦成績、試合日時、席種、席位置、チケットの売れ行きなど多様なデータから、試合ごとの需要をAI(機械学習)により予測し、需要に応じて価格が変動するチケットです」


――1試合ごとに価格が変動するのですね。


「1試合ごとはもちろん、1席ごとに価格が違います。たとえば同じ一塁側S席でも何列目なのか、さらには通路側、もしくは奥なのかで価格が違います」

AIチケットは潜在的需要を顕在化

コミカルに、そして分かりやすく、AIチケットの購入方法などを紹介したCMに出演している、元投手で現在は球団広報の江尻氏
コミカルに、そして分かりやすく、AIチケットの購入方法などを紹介したCMに出演している、元投手で現在は球団広報の江尻氏【田尻耕太郎】

――導入のきっかけは?


「ホークスでは2014年シーズンから曜日や対戦カードなどによって価格設定が変動する『フレックスプライス制度』を導入しています。もともとプロ野球のチケットというのは座席エリアごとに定価が決まっているだけで、その中でお客様が選択するしかありませんでした。しかし、ホテルの客室や航空券のように世の中の商品というものは価格が変動するのが一般的です。


 そもそも価格というのはお客様のニーズによって決まるものなのです。ヤフオクドームは1試合で約4万席の座席を用意しています。つまりその1日だけで4万通りのお客様の要望があるわけです。さらに日にちや対戦カードでその幅が広がります。チケット代の安い日(座席)ならば行こうという方もいれば、人気カードを良席で見るためには多少高くても構わないという方もいて多岐にわたるのです。


 お客様が求めているものに寄り添って、納得のいく価格でお求めいただける環境を作り上げるためのAIチケットの導入だと考えております。少し難しい言葉ですが、顧客の潜在的需要を顕在化している。お客様が、『●●円だったら買うのになあ』と思う潜在的需要価格を、AIの力を使って、リアルタイムに顕在化させることができるのがAIチケットなのです」


――もともとの定価よりも安く購入できる場合もあるということですよね。


「はい。お客様の需要によって決まるので、そのケースもあります。現在は上下30%に設定しています。価格はリアルタイムで変動していますので、ぜひ販売サイトへ頻繁にアクセスしていただければ嬉しいです。また、今シーズンから3Dマップビューで、座席位置からの眺めを確認できるようになりました。今まで座ったことのない座席から、球場がどのように見えているか分かるようになったのは興味深い点だと思っています」


――通常、一般発売では手に入りにくいコカ・コーラシートやホームランテラス席などもAIチケットで購入できるそうですね。


「AIチケットでご用意している座席は、コンビニエンスストアなど他経路からは購入できませんので、人気座席で観戦をご希望されているお客様もぜひAIチケットをチェックしていただきたいです」

「鷹の祭典」では1万席がAIチケット

 今シーズンは原則1試合につき1500枚がAIチケット分の座席として用意されているが、7月27日の「鷹の祭典」(オリックス戦)では12席種、合計1万席をAIチケットから販売中だ。「お客様の購買の導線を変えるのは、非常に大きなチャレンジです」と江尻広報。だが、世の中の動きとともにプロ野球も進化を遂げていくだろう。7・27はそんな将来に向けたトライアルとなる。

田尻耕太郎
田尻耕太郎

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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