連載:ただ、ありがとう「すべての出会いに感謝します」

新井さんが最も思い出深い安打 「黒田さんのために」放った一打の背景

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継続は力なり

2005年、チームは最下位ながらも黒田氏(写真左)は最多勝、新井氏は本塁打王に輝いた 【写真は共同】

 春のキャンプ中には、水本勝己(現広島二軍監督)さんに「この1年間、これだけは絶対に続けるというものを決めろ。オレも付き合うから」と言われた。当時はブルペン捕手としてチームに帯同しており、僕のことを何とかしたいと思ってくれていたようだ。

「1年間、ホームゲームの時は必ず練習前に特打します。付き合ってください」

 以来、本拠地で試合がある日は他の選手よりも早く球場へ行き、左翼側にあった狭い練習スペースで、軸回転を意識しながら、水本さんが投げるボールを必ず打った。雨が降っても、台風が直撃しても。移籍する2007年まで1日も休まなかった。

 まさに、継続は力なり。

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 僕はそれを実感した。金本(知憲)さんから教わった軸回転。そして、水本さんとの打撃練習。継続することで技術が磨かれ、気持ちに張りが出て充実感を覚えるようになった。何事も続けることが大事だ。毎日の素振り、ランニング。何でもいい。継続すれば収穫や学びがあり、自信も生まれる。勉強や仕事にも通じることだと思う。

 分岐点となった2005年。開幕は東京ドームでの巨人3連戦だった。当然、僕はバックアップ要員。ただ、四番のグレッグ・ラロッカが2戦目に足を故障し、翌4月3日には六番・サードで先発機会が巡ってきた。
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