連載:ドイツ2部で戦う男たち

宮市亮は地獄を見たのか?「客観的に見たら、そうかもしれない」

栗原正夫
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毎日ボールを蹴ることができる喜び

高校卒業後に海を渡って8年。その間、宮市亮は何を考え、いかにサッカーと向き合ってきたのか 【栗原正夫】

 2015年にFCザンクトパウリ加入後、選手生命を脅かす2度のひざの大ケガに見舞われた宮市亮。左右の前十字じん帯を断裂し、計2年以上の戦線離脱を強いられたが、今季は独ブンデスリーガ2部で24試合(第33節終了時)に出場するなど、プロ入り後、最も充実したシーズンを過ごしている。
 11年、アーセン・ベンゲル監督にその才能を認められ、宮市はJリーグを経由せずに18歳でイングランドの名門アーセナルと契約。アーセナルでは選手層の厚さに苦しんだが、レンタル先のオランダ・フェイエノールトで日本人の欧州最年少ゴール記録を塗り替えると、英ボルトンでは日本人最年少となる19歳1カ月28日でのプレミアリーグ初出場を果たした。その後は、英ウィガン、オランダのトゥウェンテと渡り歩いたが、右足首のじん帯を痛めたことなどもあって、期待されたような結果を残せずに、ザンクトパウリに新天地を求めていた。

 プロ入り後、丸8年が過ぎた。紆余(うよ)曲折はあったが、宮市はいま、毎日ボールを蹴ることができるのが何より、としみじみと話す。
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著者プロフィール

1974年生まれ。大学卒業後、映像、ITメディアでスポーツにかかわり、フリーランスに。サッカーほか、国内外問わずスポーツ関連のインタビューやレポート記事を週刊誌、スポーツ誌、WEBなどに寄稿。サッカーW杯は98年から、欧州選手権は2000年から、夏季五輪は04年から、すべて現地観戦、取材。これまでに約60カ国を取材で訪問している

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