注目の指標「バレル」とは? 打球速度と角度の重要性
連載「それってホント? 野球の定説を検証」では、「あのときの僕」が信じていた野球の定説をデータやスポーツ科学を使って検証。観る人・プレーする人・支える人すべてに、野球の真実・野球の新たな面白さをお届けします。
第2回は「打球速度と角度」について。
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速い打球のメリットとは?
打球速度が速いと、バッターにとってどんなメリットがあるのか 【写真は共同】
そこで、今最も注目されている指標が打球速度だ。中継でも度々取り上げられており、目にしたことのある読者も多いかもしれない。これはStatcastで取得できるデータの一つであり、打者が放った打球の初速を示している。
セイバーメトリクスからみる打球速度
データをみると、打球速度が高くなるにつれて長打が増加している。特に本塁打は、150km/hを超えたあたりから急激に増加。二塁打や三塁打をみても、この地点を境に発生割合が増えている。打球速度150km/hは長打を放つためのひとつの目安となるかもしれない。
【Baseball Geeks】
くしくも長打の割合が急増する地点と一致しており、打球速度が速くなると「単打も長打も」増える。長打狙い・単打狙いという言葉にあるように、単打は「うまく打つ」ようなイメージを持たれがちだが、速い打球になるとゴロやライナーでも内野の間を抜けていくことが頻発し、結果的に単打も増加するのだろう。
また、110km/h付近に一度単打割合が上昇している地点がある。これはいわゆる「ポテンヒット」系の打球が発生する地点であり、長打はほとんど発生しない。第1回で紹介したように、打率よりもOPSの方が得点への貢献が高く、このような打球では得点への貢献は大きくない。打球速度を高めて長打を増やすことが、打撃で最も重要だと言えるだろう。
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