【クラブフィッターが徹底解説!】テーラーメイドのアイアン7モデルをマトリックス図で分類!

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今回は、クラブフィッターの小倉勇人さんに、テーラーメイドのアイアン7モデルをマトリックス図に分類し、それぞれの性能ポジションを独自に評価していただきました。

アイアン7モデルをマトリックスで性能評価

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現在、テーラーメイドのサイトで販売されているアイアンの中から7モデルを選び、「直進性・操作性」と「つかまりすぎない・つかまりやすい」をXY軸に当てはめて、一目でわかるように性能を分類しました。

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個人の感覚では、つかまりすぎないアイアンはほとんどありません。つかまり要素を足したアイアンが多いのが現状です。アスリートモデルでも、ニュートラルは表の中心点くらいになります。

ニュートラルのものは多く存在しますが、つかまりを完全に抑え込んでいるアイアンは、ほとんど見たことがありません。基本的には左半分に寄ってきます。わかりやすさを考慮し、このような表で分類しました。

Qiアイアンの特性ポジション

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まず、売れ筋のひとつであり、優れたアイアンだと考えているのがQiアイアンです。ミスに強く、直進性に優れ、球も上がりやすいので、さまざまなゴルファーにおすすめできます。

7番のロフトは28°で、非常に飛ぶ性能を持ちながら球も上がるという、まさに「お助けアイアン」と呼ぶにふさわしい、完成度の高いアイアンです。

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このQiアイアンを表に当てはめると、直進性が高いのでかなり上の方に位置します。つかまりに関しては、ほんの少しつかまる程度です。このほんの少しつかまる具合が、私が多くの人におすすめできる理由です。

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つかまりが強い方が優しいと感じるゴルファーもいますが、ある程度ボールをねらったところに打ち出せるゴルファーにとっては、逆に使いづらいアイアンになることもあります。Qiアイアンは、そのバランスに優れていると思います。直進性が高く、ほどよくつかまる、非常に良いクラブです。

このQiアイアンを基準に、次はスポナビGolfをご覧いただいている方々が興味を持っているであろうPシリーズを分類していきます。

P790アイアン(2023年モデル)の特性ポジション

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P790アイアン(2023年モデル)も、非常に売れているアイアンで、市場の評価も高いです。

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このモデルも、Qiアイアンと評価が似ています。直進性が高く、とても扱いやすいのが特徴です。同じ中空モデルですが、「P790アイアン」の方が操作性を重視した設計となっています。

ロフトは7番で30.5°なので、ある程度コントロール志向のゴルファーでも、やさしく使用できます。

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Qiアイアンを基準にすると、操作性が高くなるので表では下の方に位置しますが、つかまりに関してはより抑えられています。少しつかまる要素は持っていますが、基本的には操作がしやすく扱いやすいアイアンといえます。テーラーメイドのラインナップの中では、真ん中に位置するポジションのアイアンだと思います。

P770アイアン(2024年モデル)の特性ポジション

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今年発売されたばかりの最新モデルです。ちなみに、P770・P790はブレードの長さを表しています。P790よりブレードが少し短いため、操作性がより高まっているクラブです。

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さらに操作性が向上しており、つかまり具合に関してはブレード長をどう考えるかというところですが、ヘッドの操作性が高いことから、つかまりを抑えていると感じるゴルファーもいるかもしれません。しかし、私は790と770は同じくらいのつかまり具合だと感じます。

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ヘッドのサイズによって操作性の感じ方が異なるため、P790とつかまりは同じくらいですが、操作性が高い分、P770は表のこのあたりに位置づけられるでしょう。

ちなみに、P770のロフトは7番で33°です。アスリートモデルの設定になっているので、距離を求めて直進性が高い方が良いゴルファーはP790、ある程度のやさしさと操作性の両立を考えるゴルファーはP770が適しているでしょう。

P7CBアイアンの特性ポジション

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P7CBアイアンは、いわゆるキャビティバックのアスリートモデルです。ハイテク技術が駆使され、タングステンやセラミックが使用されている、とても凝ったアイアンです。

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この表では、つかまりに関してはニュートラルで、操作性を重視して設計されています。今回紹介したアイアンの中では、最も操作性が高いモデルです。より操作性重視のP7MBというモデルもありますが、それはこの表だとさらに下に位置する、非常に操作性の高いアイアンになります。

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操作性が高いクラブは難しいと考えるゴルファーもいるかもしれませんが、最近のモデルは打点のミスへの強さを考慮して設計されています。アイアンは特に、極端なことはできないので、芯を外せば当然飛距離ロスは発生しますが、コース内には収まります。視点を変えれば、決して難しいクラブではありません。

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このP7CBのロフトは7番で33°です。P770とのコンボも可能です。操作性が欲しいときにP7CB、直進性が欲しいところでP770、そんな組み合わせもできます。

ステルス グローレ アイアンの特性ポジション

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グローレは日本を中心に展開しているブランドなので、この先、次回作が出るのかが心配ですが、まだ現行販売されています。

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7番のロフトは27°なので、Qiアイアンと比較すると1°立っていますが、ほぼ変わらない感じです。つかまりが強調されている点に違いがあります。

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このモデルは、Qiアイアンとポジション的に重なる部分があると感じています。しかし、実際に打ってみると性能は少し異なります。基本的には、よくつかまる、飛ぶ、やさしい、といった日本のゴルファーが考えるやさしいアイアンの代名詞のような要素が詰まっているアイアンです。よくつかまり、距離も出やすいので、助けて欲しいゴルファーにはとても扱いやすく、やさしく感じるでしょう。

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表に当てはめると、直進性は強いものの、つかまりが非常に高い印象です。そのため、このあたりに位置づけられます。少しドロー系の球にもなるので、直進性というよりもつかまりが強調されたクラブといえます。

前モデルのステルス アイアンとステルス HDアイアンの特性ポジション

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テーラーメイドのサイトでは、マークダウン品として前モデルのステルス アイアン・ステルス HDアイアンがまだ販売されています。どちらも良いアイアンなので、この2モデルも表に加えてみます。

ステルス アイアンの後継モデルがQiアイアンです。ステルス アイアンの段階でほぼ完成されていた印象があり、Qiアイアンが登場したときに余計ないじりをしていない安心感がありました。ステルス アイアンは、それくらいの完成度でした。

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ステルス アイアンとQiアイアンは、このXY軸の表ではほぼ重なる状態です。直進性がQiアイアンの方がわずかに高い程度です。つまり、ステルス アイアンのもともとの性能をそのまま磨き上げたのがQiアイアンといえます。つかまり具合も同じくらいです。

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ステルス アイアンのロフトは7番で28°で、Qiアイアンと同じです。ステルス アイアンはQiアイアンとほぼ同じ性能を持つ扱いやすいアイアンで、Qiアイアンはステルス アイアンから微増進化したモデルといえます。

ステルス HDアイアンは、トップブレードを少し厚くしたり、ヘッド高を少し低くしたりして、オートマチックな性能を追求したやさしいアイアンです。これはこれで非常に好きなアイアンです。手ぶらでゴルフに行って貸しクラブを選ぶとしたら、このステルス HDアイアンを選ぶかもしれません。良くも悪くも、クラブがさまざまなことをやってくれる、自分で操作しなくても良いフルオートマチックなアイアンです。

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ステルス HDアイアンは7番でロフトが30°です。極端に飛距離を追求しているわけではないので、扱いやすさを感じます。

表のポジションは、つかまりはほどほどですが、ステルス グローレよりはつかまりません。直進性は非常に高いです。ロフトの設定もありますが、適度なつかまりやすさで、ある程度ボールをつかまえられるゴルファーでも使いにくいと感じるほどではありません。直進性が高く、つかまる、オートマチックな性能のアイアンです。

テーラーメイドのアイアンマトリックス総評

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どれも基本的に難しいと感じるクラブはそれほどないでしょう。ツアープロもやさしいモデルを好む時代ですし、操作性といっても、それほど激しく曲げるプロゴルファーはほとんどいなくなりました。安定したところに安定して打って、いざというときに狙える性能はもちろん必要ですが、エンジョイゴルファーにとっては、助けてくれるクラブの方が楽しくプレーできるでしょう。

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性能的には、ラインナップ全体の性能ポジションがうまく分布していると感じます。

さまざまな動画で言っていますが、ゴルファーが感じるやさしさは人それぞれ異なるので、自分がやさしいと思えるクラブに最短で出会えると、よりゴルフが楽しくなるでしょう。これはあくまで私の独断と偏見なので異なる意見もあるかと思いますが、参考になれば幸いです。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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