連載:やる気にさせる高校野球監督の名言ベスト66

「用事がないなら観る。僕が勉強せんと」 智弁和歌山・高嶋仁

田尻賢誉
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歴代最多の甲子園通算68勝を誇る高嶋前監督はどんなに勝っても学び続けた 【写真は共同】

 歴代最多の甲子園通算68勝。昨夏の第100回大会を区切りに勇退したのが智弁和歌山の高嶋仁前監督だ。1994年春に初優勝を果たすと、96年春は準優勝、97年夏は優勝、2000年春は準優勝、夏は優勝、02年夏は準優勝と一時代を築いた。00年夏はチーム打率4割1分3厘(当時)、100安打、11本塁打と大会記録を軒並み更新。“強打の智弁”の名をほしいままにした。
 ダッシュ100本、腹筋・背筋2000回など猛練習で知られる高嶋監督だが、自らも毎日ランニング。ひざを故障してからもウォーキングを欠かさなかった。時間があれば偵察以外にも他校の試合に足を運び、ネット裏で試合を観る。プロ選手の話を聞きに講習会に出かける。どんなに勝っても学び続けた高嶋監督流のリーダーとしての姿勢とは?

自ら勉強する学習者

“これ”という試合では、必ずといっていいほどネット裏で高嶋監督の姿を見かける。
 毎年の甲子園決勝、秋の地区優勝校が集まる明治神宮大会、プロ注目の投手が登板する試合……。2012年のセンバツでは、その大会に出場していないにもかかわらず、大阪桐蔭・藤浪晋太郎(現阪神)と花巻東・大谷翔平(現エンゼルス)の150キロ右腕対決を観に、甲子園まで足を運んだ。14年の秋には県岐阜商・高橋純平(現福岡ソフトバンク)を三重・四日市まで視察に行っている。

「やっぱり、生のほうがわかる。細かいことはテレビのほうがわかることもありますけどね。用事がない限りは、極力、甲子園のネット裏で観るようにしとるんです。よその学校の監督に比べたら、圧倒的に多いんちゃうかなと思います。直接プラスになるとか、そんなんじゃなしに、僕自身が勉強せんとね。それに、トップのゲームを観たら、ウチはだいたいこんなもんやなというのがわかるしね。だから、スカウト連中に聞くんですよ。それで『あれがトップやで』というピッチャーが出てきたら、必ず観に行っとるんです」
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著者プロフィール

田尻賢誉

スポーツジャーナリスト。1975年12月31日、神戸市生まれ。学習院大卒業後、ラジオ局勤務を経てスポーツジャーナリストに。高校野球の徹底した現場取材に定評がある。『智弁和歌山・高嶋仁のセオリー』、『高校野球監督の名言』シリーズ(ベースボール・マガジン社刊)ほか著書多数。講演活動も行っている。「甲子園に近づくメルマガ」を好評配信中。

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