「用事がないなら観る。僕が勉強せんと」 智弁和歌山・高嶋仁
歴代最多の甲子園通算68勝を誇る高嶋前監督はどんなに勝っても学び続けた 【写真は共同】
ダッシュ100本、腹筋・背筋2000回など猛練習で知られる高嶋監督だが、自らも毎日ランニング。ひざを故障してからもウォーキングを欠かさなかった。時間があれば偵察以外にも他校の試合に足を運び、ネット裏で試合を観る。プロ選手の話を聞きに講習会に出かける。どんなに勝っても学び続けた高嶋監督流のリーダーとしての姿勢とは?
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自ら勉強する学習者
毎年の甲子園決勝、秋の地区優勝校が集まる明治神宮大会、プロ注目の投手が登板する試合……。2012年のセンバツでは、その大会に出場していないにもかかわらず、大阪桐蔭・藤浪晋太郎(現阪神)と花巻東・大谷翔平(現エンゼルス)の150キロ右腕対決を観に、甲子園まで足を運んだ。14年の秋には県岐阜商・高橋純平(現福岡ソフトバンク)を三重・四日市まで視察に行っている。
「やっぱり、生のほうがわかる。細かいことはテレビのほうがわかることもありますけどね。用事がない限りは、極力、甲子園のネット裏で観るようにしとるんです。よその学校の監督に比べたら、圧倒的に多いんちゃうかなと思います。直接プラスになるとか、そんなんじゃなしに、僕自身が勉強せんとね。それに、トップのゲームを観たら、ウチはだいたいこんなもんやなというのがわかるしね。だから、スカウト連中に聞くんですよ。それで『あれがトップやで』というピッチャーが出てきたら、必ず観に行っとるんです」
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