「素晴らしい助言も試合終了後では遅い」 今治西・大野康哉
今治西・大野監督は、一塁や一、二塁の段階で伝令を送る。そのこころは? 【写真は共同】
熱血指導が実を結び、公立校ながら2006年から12年にかけて7年連続して春夏いずれかの甲子園に出場。環境や素材の差を言い訳にせず、チャレンジし続けている。そんな大野監督がピンチで心がけていることとは?
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やるべきことを明確に、迷いをなくす
どんなことを言っても、“事が起こった後”ではどうしようもないのだ。大野監督が心がけているのは、大ピンチの前にアドバイスを送るということ。満塁や二、三塁になってからではなく、一塁や一、二塁の段階で伝令を送ることがほとんどだ。
「大ピンチを未然に防ぐ。大きなピンチになる前にいかに芽を摘んで切り抜けていけるか。戦い方として絶対に欠かせないものだと思ってますね。1点を取られても、1点をやらないという感覚です」
大ピンチになると、選手たちは余裕がなくなる。重圧がかかり、言葉が耳に入らなくなることもある。それも踏まえて、冷静さを保っているピンチのひとつ前の段階でアドバイスを送るのだ。初めて監督を務めた伯方時代には、苦い経験を何度もした。当時は、「試合の後半は何があるかわからないから」とタイムをあとに残していたが、伝令を温存した前半に大量点を取られて、流れがつかめないまま試合が終わることが多かった。そのときの教訓も踏まえ、現在は早めのアドバイスを徹底している。
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