田中大貴「ここからが本当のスタート」 W杯アジア2次予選カタール戦後コメント

スポーツナビ

悲願のW杯出場を自力でつかんだ日本代表 【加藤よしお】

 バスケットボール男子日本代表は24日、アルガラファスポーツクラブ多目的ホールでFIBAワールドカップ(W杯)のアジア地区2次予選のカタール戦に臨み、96−48とダブルスコアでの快勝。今夏、中国で開催されるW杯の出場権を自力で獲得した。

 試合序盤はやや重い展開となったが、ニック・ファジーカスが第1クォーター(Q)開始1分53秒にチーム初得点を挙げると、同3分18秒にレイアップシュートを決めて、この日も攻撃の中心を担っていく。その後も日本はなかなかシュート決めきれなかったが、ディフェンスではカタールを8得点に抑えて、15−8でこのQを終えた。

 第2Qに入ると、辻直人、富樫勇樹らの3ポイントシュートが決まり出し、次第にリードを広げる展開となる。中盤以降は比江島慎を中心に攻撃を仕掛けて、42−25でハーフタイムに突入した。

 後半に入ると日本は本来のリズムを取り戻していった。第3Q開始早々、2−3のゾーンディフェンスを敷くカタールに対して、張本天傑、比江島が3ポイントシュートを次々と沈めていく。さらに速攻も出るようになると、リードはさらに広がっていった。終盤には篠山竜青のブザービーターも飛び出し、日本の勢いは止まらない。

 第4Q、竹内公輔、ベンドラメ礼生の得点も飛び出すなど、完全に日本がゲームをコントロールした。試合の出だしでつまずいたものの、最終的には96−48のダブルスコアでの勝利。96得点をあげたオフェンスだけでなく、カタールの攻撃を第1Qを8点、第3Qを9点と、1桁台に抑えたディフェンスも見逃せない。この結果、日本は自国で開催された2006年以来3大会ぶりのW杯(旧世界選手権)出場権を獲得。また、予選を勝ち抜いた上での本戦出場は21年ぶりとなる。

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田中大貴(アルバルク東京)

「自分たちがチャレンジすることが大事」と田中 【小永吉陽子】

「世界で戦うにはもっとチャレンジしないと」

 イランに勝てたので、カタール戦に関してはみんなが自信を持っていましたし、日本で試合をした時と同様に、ディフェンスから走る展開に持ち込めました。無事W杯出場を決められたので、ホッとしているというか、すごく喜びが大きいです。

(結果には)すごく満足しています。(4連敗と)厳しい状況、絶望的な状況からスタートして、こうやって最後勝ち取れるところまで来られたのはチームの成長だと思いますし、みんなが自信を持ってプレーできている証拠ではないでしょうか。ただここからが本当のスタート。もちろん満足している場合ではないですし、今後日本が世界で戦っていくためにももっともっと自分たちがチャレンジすることが大事だと思います。

篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)

篠山は「各選手のゴールへのアタックが増えた」と実感する 【小永吉陽子】

「Bリーグで成長できた」

(特にアジア2次予選になって、自分とチームが成長した部分は?)個人としてもチームとしても自信がついたのが一番だと思います。やはりどこか負け癖というものがあったと思いますし、ニック、(渡邊)雄太、(八村)塁の加入がきっかけになって勝つことを覚えて、「じゃあ自分たちもやれる」と思えるようになりました。そして、Bリーグ組だけで勝って出場権を得られました。技術的なこともありますが、Bリーグができたことによるプロ意識とか、そういったメンタル的な成長があったと思います。

(技術的には?)ゴールへのアタックが増えたことだと思います。馬場であったり、田中だったり、2、3番のプレーヤーのペイントアタックが比江島だけではなくなって。そこからズレを作ってノーマークを作れることがすごく増えたので、具体的な部分で言えばそこかなと思います。

富樫勇樹(千葉ジェッツ)

富樫はW杯では高校時代の同級生との対決を楽しみにする 【小永吉陽子】

「一番対戦したいのは米国」

 本当にすごいことだと思います。これで高校時代(米・モントロスクリスチャン高校)のチームメイトと国を背負って戦うことができればなと思います。

(1番対戦したいのは米国?)それはもちろん。(米国と戦うことで)次に進める可能性が低くなるかもしれませんが、滅多にやるチャンスはないと思うので、できるならばやりたいです。

(日本のサッカーファンにも応援を呼びかけていたが)日本代表が戦ったアジアカップのようにイランとカタールと次に当たると決まった時、特別なものを本当に感じました。こうやってリベンジできて良かったです。サッカーファンの方たちも見てくれていたらうれしいです。

(自分とチームが予選を通して成長したところは)個人として納得のいく試合は全くないです。千葉でのプレーとここでのプレーに迷いがある中での予選で、自分としてはもうちょっとやれた、やりたかったという思いはありますが、チームが勝っていく過程でこうしてスタメンで出してもらって、結果を残せたことには満足しています。

比江島慎(栃木ブレックス)

「ラマスHCのバスケが分かってきたことが大きい」と比江島 【小永吉陽子】

「W杯で早くプレーしたい」

(十分な働きができた?)今回に関してはできていたと思います。(メンタル、技術で成長できた?)内容の濃い1年間であり、自分が1番成長できた1年だったと思います。

(4連敗の頃はどん底だった?)そうですね。自分が攻めて、何とかしなければという思いでプレーしていました。(それが変わったきっかけは?)みんなでラマスHCのバスケが分かってきたことが大きいと思います。今は自分がアタックすることで、他の選手がオープンになるようになりました。

(HCのバスケをひと言で表すと?)「臨機応変」でしょうか。元々しっかりとしたスペーシングを取るスタイルですが、そうしてみんなが役割を分かるようになったと思います。それぞれが役割を全うした結果がW杯出場だと言えます。

(W杯について)本当にこれを目標にやってきたので、早くプレーしたいですし、楽しみたいです。

(取材協力:バスケットボールキング)
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