岩手へ、恩師へ 大谷翔平が紡ぐ感謝の言葉
岩手が与えた影響
岩手に生まれ、花巻東高で過ごした大谷。メジャーで活躍し続ける大谷の源流がここにあった 【写真は共同】
「翔平は、世の中的なものに左右されていないですよね。大自然には人間はかなわないということを、頭では考えたことがないと思いますが、彼は何となく体で感じ取っているんじゃないですかね。前にこんなことがあったんです。あと3イニングスを投げれば防御率のタイトルを2年連続で獲れるというときに、僕が『どうする?』と訊いたら、翔平は『どっちでもいいです』って。結果的にそのときは投げさせなかったんですが、改めて当時のことを訊いたら『うぅぅ〜ん、(タイトルを)欲しくないというわけじゃないんですけど、どっちでもいいですよね、そういうのは』みたいな感じで言うんです。そういう価値観なんですよね、翔平は」
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「大谷はマイペースというか、いい意味で『計算をしていない』ところがあると思います。たとえばゴールが決まっていて、そこにいくために一番効率の良い答えや方法を求めようとしていない感覚みたいなものがある。もちろん野球の技術などはそういう考え方かもしれないですけど、彼の生き方として、計算して物事を判断するのではなくて何か湧き出てくるものに従って行こうという、すごく自然な生き方をしていると思います。何かをしたいと思えば自分の湧き出る思いに従ってするし、したくないと思ったらしない。寝たいと思えば休日は寝ている。自分の本能に従って生きている感じはします。それが堂々とした形になっていますし、それが伸びやかで大らかな部分なのかなあと思うこともあります。その感覚や感性というのは、田舎の環境から生まれたものかもしれませんね」
一方で、大渕は岩手県にある大谷家には独特の空気が流れているとも言う。
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