連載:道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔

メジャー挑戦…両親、佐々木監督の覚悟 そして、急変した運命のドラフト会議

佐々木亨
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佐々木監督の逡巡

2012年10月21日、たくさんの報道陣が集まる中、メジャー挑戦を公言した大谷(写真左端)。右隣は父親の徹さん 【写真は共同】

 小島のスカウティングは実った。正確に言えば、実りかけた。
 2012年10月21日に「メジャー挑戦」を公言した大谷の表情を小島は今でも忘れられない。

「あのときの顔は、本当に意志あるものだと感じました。『大谷は本物になろうとしている』。そう思いましたし、アメリカへ行きますと言ったときは本当に前を見据えていたと思います」

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 18歳で海をわたる―。
 大谷は当時の心境をこう語るのだ。

「挑戦したかったということもそうですし、他の人と違う成長過程を踏んだときに、最終的に自分がどれぐらいの選手になれるのかという興味のほうが大きかった。そのときは、アメリカへ行ってみたいなという気持ちのほうが強かったですね」

 教え子の強い意志を間近で見ていた佐々木監督は、当時のメジャー挑戦を、18歳の決断をどう感じていたのだろうか。
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著者プロフィール

1974年岩手県生まれ。スポーツライター。雑誌編集者を経て独立。著書に『あきらめない街、石巻 その力に俺たちはなる』(ベースボール・マガジン社)、共著に『横浜vs.PL学園 松坂大輔と戦った男たちは今』(朝日文庫)、『甲子園 歴史を変えた9試合』(小学館)、『甲子園 激闘の記憶』(ベースボール・マガジン社)、『王者の魂』(日刊スポーツ出版社)などがある。主に野球をフィールドに活動するなかで、大谷翔平選手の取材を花巻東高校時代の15歳から続ける。

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