道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔
大谷翔平、3年夏に訪れた歴史的瞬間
佐々木監督と女房役が振り返る「160キロ」

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チームメイトから知らされた歴史的な一球

3年夏の岩手県大会、一関学院戦で「160キロ」を計測した大谷。その時の様子を佐々木監督と佐々木捕手が振り返った
3年夏の岩手県大会、一関学院戦で「160キロ」を計測した大谷。その時の様子を佐々木監督と佐々木捕手が振り返った【写真は共同】

 2012年、7月。

 大谷は3年夏の岩手県大会で、自身が追い求めた球速である「160キロ」を記録した。夏に限って言えば、初めてエースナンバーを背負って挑んだ大会だ。満を持して先発マウンドに上がった一関学院との準決勝で、その瞬間は訪れた。大谷はサラッと振り返る。

「投げた瞬間は(スピード)ガンの表示は見なかったのでわかりませんでした。高校最後の大会ですしね、ランナーを背負っていたので普通に抑えられてよかったなあという感じでしたね」


 チームの勝利が最優先だった。そのときの大谷にとって球速は関係なかった。ベンチに戻り、チームメイトの一人から球速の話をされて初めて160キロの事実を知ることになるのだが、それよりも優先すべきはチームを甲子園に導くこと。ピッチャーとして、バッターとして、すべての力をそのために注ぎたい。それが本心だった。


 大谷とは、そういうプレイヤーであり人間なのだ。佐々木監督には、彼の高校時代で忘れられない試合がある。

佐々木亨

1974年岩手県生まれ。スポーツライター。雑誌編集者を経て独立。著書に『あきらめない街、石巻 その力に俺たちはなる』(ベースボール・マガジン社)、共著に『横浜vs.PL学園 松坂大輔と戦った男たちは今』(朝日文庫)、『甲子園 歴史を変えた9試合』(小学館)、『甲子園 激闘の記憶』(ベースボール・マガジン社)、『王者の魂』(日刊スポーツ出版社)などがある。主に野球をフィールドに活動するなかで、大谷翔平選手の取材を花巻東高校時代の15歳から続ける。

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