大阪桐蔭、“修正力”で花園初優勝 「ラグビー人生最高の試合に」
威力を発揮した「カウンターラック」
組織力に優れた桐蔭学園の攻撃を、激しいタックルで止め続けた 【斉藤健仁】
その後は、大阪桐蔭は自陣からも攻めてくる桐蔭学園のラックにプレッシャーをかけて、乗り越えたり、相手の反則を誘ったりと計6度のターンオーバーに成功したことが趨勢を決めた。ディフェンスの勝利だった。桐蔭学園はポッドでボールを大きく、広く動かしてくるため、ラックには3人ほどとあまり人数を掛けてこないことは分析済みだったという。
大阪桐蔭は春の選抜で、タックルが甘く、接点での「セカンドマンレース」に負けて大敗した反省から、タックルを磨き、週2回のアタック&ディフェンスの練習でしっかり2人目の寄りの意識を高めた。「(カウンターラックで)取れるところはチャレンジしていいと言っていました。選手が判断しました。自分たちの目標のため日頃やっていることをやってくれた」(綾部監督)。
後半17分のモールからFL奥井が取ったトライも、カウンターラックで乗り越えて相手の反則を誘い、敵陣奥に入ったことで生まれた。
終了間際のCTB高本のビッグタックル
攻守に活躍したCTB高本幹也。終了間際には値千金のタックルを決めた 【斉藤健仁】
桐蔭学園に後半28分、1トライを返されて迎えたロスタイム、自陣からでも大きく外に振ってきた相手に、CTB高本がタックルで前に出て相手のファンブルを誘い、そのまま味方がボールを乗り越えてターンオーバー。値千金のタックルを決めたCTB高本は「どんぴしゃ(のタイミング)だった。勇気がいったけど、外が余っていたので自分の判断でいった」と胸を張った。
FL奥井「チーム全体でも100点のプレーができた」
2年生ながらチームの中心として驚異的なパワーを発揮したFL奥井 【斉藤健仁】
CTB松山主将は「ラグビー人生最高の試合になりました! しっかりディフェンスにどれだけいくかがキーだったので、後半は修正できた。1年間、日本一になるためにやってきたので結果につながって良かった」と喜びを爆発させた。またボールキャリアとしてチームを引っ張ったFL奥井も「松山キャプテン中心にしんどいことやってきて、自分自身もうれしいし、チーム全体でも100点のプレーができた」と大きな笑顔を見せた。
ワールドカップイヤーの2019年の新春、新しくなった花園ラグビー場で、「白い旋風」が無敗のまま頂点まで駆け抜けた。