東海大学諏訪は「U18日清食品 北信越ブロックリーグ2024」で2勝2敗の3位に終わりました。10月5日の初戦で帝京長岡（新潟県）に62-95と大差で敗れたことが響き、ケガで複数の主力選手を欠いたこの1敗が悔やまれます。「でも、帝京長岡に負けた後に僕らは変わることができました」と話すのは、エースの渡邊大翔選手です。

「インターハイが終わってからチームでミーティングをして、一人ひとりのスキルアップに取り組んできたのですが、なかなか短期間では上手くならず、逆にミスが多くなりました。帝京長岡戦ではビッグマンが出られず、僕らのシュートも入らず、全然良いバスケができなかった試合でした。そこから自分たちのバスケを見直し、やっぱりディフェンスからだと気持ちを引き締め直して迎えた北陸（福井県）戦で、相手の得意な3ポイントシュートを抑えて自分たちのブレイクに持ち込む良いバスケで勝つことができました」

東海大学諏訪のバスケは、ディフェンス、リバウンド、ルーズボールです。「長年の伝統である部分で負けたらもうゲームにならないので、そこを大前提とした上で堅守からブレイクに繋げられていれば、僕たちのバスケができていると言えます」と渡邊選手は言います。

渡邊選手は1年生の頃から主力を務め、去年は2年生にしてエースを任され、ディフェンスにプレーメーク、そして多彩なスキルを生かした得点にと攻守に大活躍していました。3年生になった今はコート内外でチームを引っ張る存在となっています。自分だけでなくチームをいかに成長させるかが問われますが、渡邊選手は「全く苦労はありません」と言い切ります。

「もともと意識の高い選手が集まっているチームなので、練習の空気が緩くなって困るようなことはありません。ですが試合の中でディフェンス、リバウンド、ルーズボールが徹底できない時は出てくるので、その時はコート内でもベンチからでもと声を出すようにしています。『ここで負けたら自分たちの良いところはなくなってしまうぞ』という話は練習でも試合でもずっとしています」

Jr.ウインターカップで素晴らしい活躍を見せた中学生の頃から、渡邊選手のハンドリングや身体の使い方、シュートのスキルは卓越していました。高校ではトレーニングに努め「中学の頃は痩せすぎていました（笑）」と振り返る身体はがっしりと強くなりました。

バスケ選手の『成長』は、努力は当然しているとしても、思うように上達しなかったり、やり方に迷ったりと、右肩上がりで順調にいくとは限りません。多くの選手が悩むであろう『成長の秘訣』について渡邊選手は「まずは自主練の量を増やす。質より量をやってから、質を求めて試合で生かせるようにします」と自分なりのコツを明かします。

「できないことが最初は多いのですが、それが一つずつできるようになるとどんどん楽しくなります。スキルをしっかり教えられる人に学ぶのも大切ですが、今はスマホで動画を見て学ぶこともできる時代なので、自分で調べるのも良いし、でもそこで僕は量をこなします」

渡邊選手の得意なターンアラウンドからのジャンプシュートも、自主練で打ち込み続けて自分の技として会得したものです。「たくさん練習する中で打てば入る場所が分かってくるので、まずはそこをつかむことです。量をこなすうちに、そのポイントは増えていくし、自信を持って打てるようになります。そうやって自分を信じて努力を積み重ねていけば、目標に達することができると信じてやっています」

「チームも一緒なんです」と渡邊選手は続けます。「インターハイが終わった後もなかなか勝てず、結果が出ない中で『これじゃ勝てない』と焦る気持ちもあったんですけど、チームで話し合って自分たちのやっていることを信じてやり抜いた結果、北陸戦で良い勝ち方ができて、そこがターニングポイントになって今は良いバスケができています」