アーモンドアイに「負ける要素」はあるか 競馬のプロが激論、ジャパンC記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 いよいよ今週はジャパンカップ。昨年の覇者に春の中距離王、そして復活を期す2頭の菊花賞馬も揃う中で、断然の支持を集める3冠牝馬アーモンドアイ。果たして古馬の牡馬という高い壁も易々と乗り越えることができるのか。そして、外国馬に今年こそチャンスはあるのか。優馬TM(トラックマン)陣の結論は如何に。

断然人気の3冠牝馬アーモンドアイに死角は?

前売りでも人気を集めているアーモンドアイ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「紙上に予想欄のある21名中、11名が◎。そして残る10名も全て○印というアーモンドアイだけど、3歳牝馬の勝利は過去37回の歴史で一度しかないレースでもあるんだよな」

小野智「3歳牝馬にとって楽ではないことは承知してますが、アーモンドアイにはそのデータなど関係ないでしょう。前走なども、初めて最終追いを坂路にして、オヤッ?と思わせましたが、そんなことはどーでもいいと思えたほどの強さでしたからね」

中邑「その一度しかない例が、同じように牝馬3冠を達成して臨んだ2012年のジェンティルドンナです。レースレコードでもある同馬のオークスの2分23秒6に、アーモンドアイはコンマ2秒差の2分23秒8でしたが、上がり3ハロンはジェンティルの34秒2を1秒も上回る33秒2なんですよ。この数字を見ても、稀代の名牝を超える可能性を秘めていると言えるでしょう」

武井「しかも、その2012年のジャパンカップは、オルフェーヴルとのマッチレースを制したものでしたが、今年のメンバーに凱旋門賞で2着に好走できるほどの存在がないことは火を見るより明らかですからね。偉大なる先達に続く勝利の可能性も高いと見ていいでしょう」

加茂「ジェンティルのみならず、ウオッカ、ブエナビスタという近年の牝馬の勝ち馬との比較でも、アーモンドアイの能力は遜色がないと判断できまっしゃろ」

須藤「いずれにしろ、すでにアーモンドアイは歴史的名牝と呼べるレベルに達していますし、初の古馬相手でも負ける姿は想像しにくいですよ」

田崎「底知れぬ強さもさることながら、53キロの斤量なら楽に通用するはずですね」

馬場「舞台に不安があるのならともかく、3冠戦の中でも最も高いパフォーマンスだったと言えるオークスと同じ舞台なら、死角はないでしょう」

小桧山「同じ距離の凱旋門賞もそうだけど、出走頭数を考えればジャパンカップの近年の傾向は牝馬優勢なんだよな。斤量、鞍上、1番枠、そしてフルゲート割れの頭数でレースがしやすいという点でも、負ける要素はないと思うぞ」

山崎「さっき智美さんが言っていた前走時の追い切りなんですが、コースでできなかった、あるいはやらなかったことで、けっして万全の状態ではなかったと思いますし、それであのパフォーマンスでしたからね。この中間はコースでしっかりやれているので、状態面での上積みも期待できますよ」

デスク「あと、ひとつ気になる点を挙げれば、前走のゴール後にフラフラしていたことなんだが……」

守屋「あれは国枝師によると“熱中症のような症状だったが、洗い場で水をかけたら治まったし、翌日にはもうケロッとしていた”とのことで、何ら心配はありませんね。ルメール騎手にも話を聞きましたが“秋華賞は馬場入りに手こずったり、少しイライラする面を見せていたけど、今回は調教でも落ち着いているし、心身ともに充実しているよ。ギアが上がると凄い脚を使う馬で、まるでフェラーリに乗っているみたい。秋華賞は内回りで難しいレースだったが、今回は走りやすいコースだしオークスも勝っているからね。初の古馬相手だけど、今年この馬の最後のレースだし頑張りたい”と、終始笑顔でした。ここも勝って年度代表馬の座を射止めてくれると、僕も信じてますよ」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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