魔法に導かれリスグラシューついに初GI モレイラに脱帽「なぜあんなに巧いのか」

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人馬ともに初のJRA・GI勝利

モレイラ騎乗のリスグラシューがエリザベス女王杯を優勝 【スポーツナビ】

 第43回GIエリザベス女王杯が11日、京都競馬場2200メートル芝で行われ、ジョアン・モレイラ騎乗の3番人気リスグラシュー(牝4=栗東・矢作厩舎、父ハーツクライ)が優勝。中団外から鋭く伸び、GI惜敗続きにピリオドを打つ初のビッグタイトルを手中にした。良馬場の勝ちタイムは2分13秒1。

 リスグラシューは今回の勝利でJRA通算16戦4勝、重賞は2016年GIIIアルテミスステークス、18年GIII東京新聞杯に続く3勝目。騎乗したモレイラはこれが嬉しいJRA・GI初制覇、同馬を管理する矢作芳人調教師は同レース初勝利となった。

モレイラ、リスグラシューともに初のGI勝利となった 【スポーツナビ】

 なお、クビ差の2着には岩田康誠騎乗の9番人気クロコスミア(牝5=栗東・西浦厩舎)が逃げて粘り込み、さらに3馬身差の3着には1番人気に支持されたミルコ・デムーロ騎乗のモズカッチャン(牝4=栗東・鮫島厩舎)が入った。

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“これは負けない”という手応え

惜敗続きだったリスグラシューをVに導いた手腕に矢作調教師も脱帽 【スポーツナビ】

 GI銀メダルに泣くこと4度、ついに頂点に手が届いた。“マジックマン”に導かれ、この日リスグラシューが繰り出した末脚はメンバー中ただ1頭、上がり3ハロン34秒台を切る33秒8。これまでのウップンを晴らすかのような、凄まじいまでの切れ味を繰り出した。

「調教で1回乗ってみて、距離がどうかと不安に思っている人はいたと思いますが、自分としては距離の心配はありませんでした。リスグラシューの競馬をすることがポイント。折り合いがついてリラックスできれば最後は良い脚を使えると思っていました」とモレイラ。矢作調教師は、これだけのジョッキーだから、と特に指示は出さなかったそうだが、ただ1つ、「ゲートだけ気をつけて」と伝え、人馬をターフへと送り出したという。そのゲートも完ぺき。トレーナーはモレイラの腕に思わず舌を巻いた。

「最高のスタートを切ってくれましたね。折り合いも完ぺきだし、位置取りも良し。なんであんなに巧(うま)いのか……」

 つまり、スタートした瞬間、すでに今年のエリザベス女王杯はリスグラシューとモレイラのものだった、というわけだ。道中の折り合いについてはモレイラも納得の表情でこう振り返っている。

「リラックスして行けるかが一番のポイントだと思っていましたが、今日は流れが良くてポジションも良かったですし、前に壁を作ることができて馬がリラックスしてくれた。これなら最後は伸びるだろうと思いました。最後も2着馬の粘りは素晴らしかったですが、リスグラシューも“これは負けない”という手応えでしたから」

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