「ポスト・バルサ時代」を迎えたスペイン エンリケが進める変化への第一歩
チームの大半をレアルの選手が占めるように
セルヒオ・ラモス(右)やアセンシオら、レアル・マドリー勢がチームの大半を占める 【写真:ロイター/アフロ】
近年、スペインはその美しいプレーによって見る者を魅了してきた。だがその傍らで、圧倒的なゲーム支配をスコアに反映させられないという欠点も抱え続けてきた。その一因は得点力に優れたストライカーの起用を重視せず、タレント性はあるがゴールのスペシャリストではないMFたちにフィニッシュ役を任せてきたことにあった。
ルイス・エンリケ率いるスペインは、以前より横パスとボールポゼッションが減少した一方、より前線のFWを使った攻撃を仕掛けるようになった。数年前まで最大勢力だったバルセロナ勢の生き残りはセルヒオ・ブスケッツとセルジ・ロベルトのみとなり(ジョルディ・アルバの処遇については現時点では結論を出しかねる)、元所属を含めたレアル・マドリー勢(セルヒオ・ラモス、ダニエル・カルバハル、ナチョ・フェルナンデス、ラウール・アルビオル、マルコス・アロンソ、ダニ・セバージョス、イスコ、アセンシオ、モラタ、ロドリゴ)がチームの大半を占めるようになった。
繰り返すが、ベースとなるプレーコンセプトは変わっていない。そもそもルイス・エンリケは選手として、監督として、バルセロナと強いつながりを持ってきた男である。
しかし、バルセロナをベースとしてきたチームのサイクルは終えんを迎えようとしている。再び人々に希望の火を灯すためには、新たな選手たちとともに、新たな時代の幕を開ける必要があるのだ。
(翻訳:工藤拓)