新しいヒロイン2025《97期生・福田 萌維》
福田 萌維 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
ふくだ・めい=2006年6月18日、和歌山県岩出市出身
中学に進学した際、福田萌維は陸上部の門を叩く。9歳からゴルフを始めていたが、「ゴルフだけだとケガをするかもしれませんし、走っていればケガの防止にもなるかなと」。小6まで続けていた軟式野球を辞めたことへの不安もあったし、下半身や体幹を鍛えることが自分のゴルフにとってプラスになると考えた。
「実際に入部すると練習は走るだけでなく、筋力トレーニングも結構きつかったですね」。ただ、友人たちと励まし合いながら練習することで、苦しい中にも楽しさがあったという。中1から中2にかけてはコロナ禍のため、全体での練習は制限されたが、毎日のように自主トレに明け暮れた。ちなみに陸上部ではハードル競技で和歌山県大会に出場しただけでなく、リレーの選手も兼務していたという福田。スポーツ選手としてのポテンシャルはかなり高いと思われる。
ゴルフの方も当初の狙いどおり、下半身や体幹が鍛えられ、ドライバーの飛距離を250ヤードぐらいまで伸ばすことに成功。中学時代は全国大会でトップ20に入る成績を残した。この頃から、将来はツアープロを目指す気持ちも芽生え始めてきた。高校ではいよいよゴルフ部に入ることを決意するが、選んだのは地元から離れた宮崎県の日章学園だった。
「学校の見学へ行ったとき、顧問の先生や先輩の皆さんが本当にいい人ばかりだったんです。自分もここで強くなってプロになりたいと思いました」。自立したい気持ちも強かったので、親元から離れての寮生活にも抵抗はなく、すぐに新生活にも馴染んだ。ゴルフ部では、通常の練習時間以外にランニングやパッティング練習などを積極的に行い、ちょっとした空き時間も無駄にしないように心がけた。
1学年上には菅楓華、荒木優奈が在籍し、福田が1、2年時には全国高校ゴルフ選手権で連覇を達成。福田自身も1年からレギュラーとなり、2度の優勝に貢献している。キャプテンとして臨んだ3年時は9位に終わったが、レベルの高い先輩たちと過ごせたことを考えると、高校の選択は間違っていなかった。大会後の日本女子オープンでは、初出場ながらも予選を通過。最終的に22位タイでフィニッシュした。さらに、初めて臨んだプロテストの第1次、第2次予選も突破した。
福田 萌維 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
このオフにもう一度体を作り直そうと考えているが、自分の体にはどのようなスイングが合っているのかも見極めたいという。JLPGAツアーで堂々とプレーするためにも、技術やマネジメント力を磨き、安定したゴルフを身につけたい気持ちも強い。ただ、成績だけよければいいという考えはない。
「どれだけ活躍しても人間的にできたゴルファーでなければ、絶対に成績は落ちていくんだと高校の先生に教えられました。一人の人間としてファンに愛されたり、応援されるようなゴルファーを目指したいです」。福田にとって、高校の先輩である菅がまさにその理想形だが、一歩でも近づけるようにゴルフと人間性を磨いていく。(山西 英希)
福田 萌維 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
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