組織委員・寺廻氏が語るラグビー普及活動 W杯に向け子どもたちが楽しめる企画続々

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

人間形成において非常に良いスポーツ

タグラグビーの浸透に比例し、全国大会の「サントリーカップ」も年々盛り上がりを見せている 【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】

 講演に続いて、来場者と寺廻氏との質疑応答が行われた。以下はその要旨。

――タグラグビーの全国大会などをもっと開催したほうがいいのではないか?

 サントリーカップという全国小学生タグラグビー選手権があり、年々参加チームも増えています。小学校においてタグラグビーが浸透し始めているのに比例して、大会にエントリーしてくれるチームもどんどん増えています。今まで全くなかった大会ですので、それこそ1万数千人がタグラグビーの大会に出場しているということは、私が小学生のころは全く考えられなかったことです。もし仮にこちらから数パーセントでもラグビーに行くことがあれば、それはそれで新しい効果なので素晴らしいことだと思います。

――私の娘も学校の授業でタグラグビーを教わってきて楽しかったと言っていたが、そのあと授業で継続せず、その1回限りとなってしまった。ぜひ継続してほしい。

 現状は確かに特別授業という形でやっていたり、特定の選手をかき集めた時だけの授業であったり、という(突発的な)形になってしまっている面もあります。ただ学校の先生に対して、「教え方を教える」という取り組みも始まっておりますので、授業を継続をするという課題に関しては、われわれも見ていく必要があるかと思っています。

 今後は小学生だけではなくて、20年以降は中学校でもタグラグビーを教育の場に入れていくという話があります。小学校でタグラグビーを経験して、中学校でも継続していくという流れも作りつつ、さらなる深堀りをしていけるかというところですね。

――ラグビー普及は何のためにするのか?

 ラグビーをしてきた人間が言うのはあまり説得力があるのか分かりませんが、ラグビーっていいスポーツだなと日々思うんですね。それこそ子供たちと接していてもそうなのですが、本当に多様性があるスポーツで、スクラムハーフの隊形を言えばロック、プロップ……本当に多種多様で足が遅い速いもあって、自分が活躍できる場所をどこかに見いだすことができるのは、他のスポーツにはあまりないのかなと思います。

 それゆえに球技の中では比較的1チームでの人数が多いスポーツになります。それだけコミュニケーションの量も多く、その能力が自然と身につくというのは、すごくいいことだと思います。

 小学生や中学生のスポーツの人気ランキングトップテンには、残念ながらラグビーはあまり入ってきませんが、実は就職率が良さそうなスポーツランキングには入っているんですね。

 会社の人事の方とちょっとお話をした時にその辺の話を聞いてみたのですが、社会に出て会社の中で必要なスキルがスポーツを通じて培われている、というところにおいてかなり評価が高いようです。無意識にラグビーの選手が身につけていることですが、それが結構スペシャルであるというのを、私自身も聞いて初めて認識したことです。

 なぜラグビーを普及させるのかという意味であれば、そういうところに通じるところなのかなと。人間を形成するという意味で非常に良いスポーツであるというところはひとつあると思います。

――大学ラグビーはラグビーの普及に活用できないだろうか?

 大学ラグビーはかなり強力なコンテンツだと思います。今でもやはり、早明戦や早慶戦などが伝統的にずっとあって、各OBの方も多くいます。最近は多くの強豪校が出てきており、やはり集客力もかなりあるので、そこに対してはご協力をいただくというのは今後出てくるかと思います。ただわれわれもまだ具体的にこう語りかけられてはいなく、むしろ各大学さんのほうが自らいろいろなことに取り組まれています。
 今はどちらかというとトップリーグとの連携などをやっていましたけど、新しい可能性として各大学さんとの連携はあり得ると思います。

あなたにとってラグビーとは?

「ラグビーなしでは私は私でない」と強い思いを語る寺廻氏。さらなる普及のため、日々奮闘している 【スポーツナビ】

 自分を表現できるもの、一番表現できたものです。

 もともと他のスポーツをやってみたものの、体の大きさも影響しあまりしっくりこない中、ラグビーだけは何やってもおもしろく、ずっと続けていました。ラグビーを通じて私自身が出来上がっているので、それなしでは私は私でない。自分を表現するための、そのものですね。ラグビー好きな人はみんなそうだと思います。だからこそ、ラグビーを続けているし、私もラグビー業界に舞い戻ってきたわけですし(笑)。今は恩返しの時期ではないですが、少しでも還元できればなと思います。

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