ラ・リーガはこれからどこへ向かうのか VAR導入も、議論すべき課題は山積み
VAR導入により認められたゴール
エステバン・グラネロの直接FKは、VAR判定によりゴールと認められた 【Getty Images】
待ち望まれたテクノロジーの導入は、ラ・リーガにとって大きな進歩である。だがスペインフットボール界が本当の意味で成長するため、そして将来的に大きな問題が生じることを避けるためにも、ラ・リーガの運営には議論を重ねていくべき側面がいくつもある。
実際のところ、ボールがゴールラインを割ったかどうかを判断するのに最適なのは「ホーク・アイ」と呼ばれるゴールライン・テクノロジーであり、ラ・リーガが導入したVARではない。
あくまでも“主審が”最終的な判断を下す
W杯でも導入されたVAR。FIFAのスタンスはあくまでも、“主審が”最終的な判断を下すというもの 【写真:ロイター/アフロ】
前述のバレンシア戦でグラネロが決めたようなゴール、またPKやゴール時にオフサイドの可能性がある場合、テクノロジーそのものが判定を覆すのではなく、VARの判定という意見を受けた主審が映像を確認した上で、自らの判断で判定を決する。それがFIFAのスタンスだ。
「VARを導入すれば、レアル・マドリーに与えられるPKは少なくなるはずだったが……」
レアル・マドリーがPKによる2ゴールで逆転勝ちしたジローナ戦の後、レアル・マドリーの広告塔として知られるスポーツ紙は皮肉を込めてそう伝えていた。確かに2つのPK判定はいずれも妥当なものだった。ただ同じ試合では、わずかにオフサイドポジションにいたと思われる、カリム・ベンゼマのゴールが認められている。結局全ては主審の解釈次第となるわけだが、FIFAはあくまでも主審が最終的な決断を下すよう指示している。