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ロナウド退団で沸き起こる大スター待望論
新生レアル・マドリーの状況は不透明!?

2人のレジェンドが立て続けにクラブを去る

ジダン(右)とロナウド、CL3連覇に貢献した2人のレジェンドが次々とクラブを去った
ジダン(右)とロナウド、CL3連覇に貢献した2人のレジェンドが次々とクラブを去った【写真:ロイター/アフロ】

 レアル・マドリーが最後に勝利の美酒を堪能したのは、わずか3カ月前のことだ。ヨーロッパに夏が訪れる少し前、彼らはユルゲン・クロップ率いるリバプールをキエフで行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝で破り、3年連続通算13度目の優勝を成し遂げた。


 しかし、現在クラブが直面している不透明な状況は、すでにその日の夜から始まっていた。歓喜に沸く仲間たちを尻目に、クリスティアーノ・ロナウドが退団をほのめかすコメントを発していたからだ。


 その数日後には、スター集団をまとめあげ、シンプルながら的確な戦術的修正を施してチームを成功に導いたジネディーヌ・ジダン監督が、フロレンティーノ・ペレス会長の慰留を断り、突然クラブを去った。


 ここからペレス会長は負のスパイラルにはまり込んだ。複数の後任候補にフラれ続けた末、あろうことかスペイン代表がワールドカップ(W杯)ロシア大会の初戦を迎える3日前にフレン・ロペテギの新監督就任を発表。これがスペインフットボール協会(RFEF)のルイス・ルビアレス会長の逆鱗(げきりん)に触れ、翌日にロペテギの代表監督解任が断行されることになった。


 さらにW杯後には、ロナウドが1950年代のアルフレッド・ディ・ステファノに匹敵する輝かしい成功を収めてきたレアル・マドリーでのキャリアに終止符を打ち、ユベントスへと去っていった。


 5度のバロンドール受賞を誇る絶対的エースの抜けた穴は、他の選手で埋めることができるのか。新監督のロペテギは、新生レアル・マドリーをどのようなチームにするつもりなのか。新戦力を補強するとして、どれだけのビッグネームを獲得すれば、ポルトガル人FWの喪失を忘れさせることができるのか。


 ジダンとロナウド。CL3連覇に貢献した2人のレジェンドを立て続けに失ったレアル・マドリーは、いくつかの課題を抱えたまま新シーズンの開幕を迎えた。

エースの退団だけではないレアルの課題

W杯で名を上げたクルトワを獲得。正GKの選択にロペテギは頭を悩ませている
W杯で名を上げたクルトワを獲得。正GKの選択にロペテギは頭を悩ませている【写真:ロイター/アフロ】

 プレシーズンの米国遠征を見るに、2018−19シーズンのレアル・マドリーはボールを丁寧に、しかしスピーディーに動かしながら攻撃を組み立てる意思があるようだ。それ自体はジダンの指揮下で数々の成功をもたらし、世界中から賞賛を受けたフットボールと大きく異なるものではない。


 ただし、注目すべき重要な変更点もある。それはアトレティコ・マドリーに予期せぬ形で敗れたUEFAスーパーカップでも、ヘタフェとのラ・リーガ開幕戦でも見て取ることができた。


 シーズン平均50ゴール前後を決めてきたロナウドの退団は、当然ながら得点力の減少というマイナスの影響をもたらすことになるだろう。一方でフィニッシュ役に専念していた点取り屋の放出は、特定のストライカーがゴール前でラストパスを待ち続けるのではなく、中盤から前線の選手たちが流動的にポジションを入れ替えながら、より複雑なコンビネーションプレーによる崩しの形を構築するチャンスと考えることもできる。


 ギャレス・ベイルに主役の座が回ってきたことも、ロナウドの退団がもたらした変化の1つだ。ジダンの指揮下ではけがの多さにイスコの台頭も加わり、シーズンを重ねるごとに重要性を失っていった。だが、ロナウドがいなくなった今季は、イスコとの共存が可能になっただけでなく、底知れぬポテンシャルを存分に発揮しはじめている。


 ベイルだけでなく、マルコ・アセンシオも活躍の場を広げることが期待されている。すでにチームの中核を形成しているスター選手たちの陰で、成長著しい22歳はいまだに明確なプレーポジションを確立できていないが、そのタレントは誰もが認めるところだ。


 ロペテギにとっては、W杯で活躍したティボー・クルトワの獲得も新たな頭痛の種となっている。CL3連覇の功績を尊重するのなら、ケイロル・ナバスの定位置を動かすべきではない。だがW杯で注目を集めたクルトワは、現時点で最大の目玉補強だ。もちろん正GKにふさわしい実力もある。正GKの選択は極めて難しい決断となるだろう。


 GKは特別なポジションであり、正GKにふさわしい2選手に競争を促すやり方は好ましくない。ジダンはペレス会長がダビド・デ・ヘアやケパ・アリサバラガの獲得に動くたびに、公にナバスへの信頼を口にすることで反対の意思を示してきた。ナバスを正GK、キコ・カシージャを第2GKに固定し、余計な騒音を避ける方がチームのためであることを彼は知っていたからだ。

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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