バド五輪レースに新ヒロインが加わった 世界選手権を制した長身ペア“ナガマツ”
177センチと170センチの長身女子コンビ
初出場の永原和可那(右)、松本麻佑組が、バドミントン世界選手権女子ダブルスの新女王の座についた 【Getty Images】
バドミントン世界選手権(中国・南京)は5日に最終日を迎え、女子ダブルス決勝は初出場の“ナガマツ”こと永原和可那、松本麻佑組(北都銀行)が2−1(19−21、21−19、22−20)の逆転で前回銀メダルの福島由紀、廣田彩花組(岐阜トリッキーパンダース)を破って初優勝を飾った。日本勢では4番手としての出場だったが、表彰台の一番高い所に立った。永原は「初めて、勝ってうれし涙を流せた」と喜んだ。
身長177センチの松本と身長170センチの永原、22歳(大会時)の2人はアジア勢が強いバドミントン界では世界的にも珍しい長身ペア。多くの日本のペアがラリーの中での駆け引きで勝負するのに対し、2人は徹底的に強打を打ち込む攻撃的なスタイルで一線を画す。永原は「身長を武器にしたプレー。攻撃が持ち味なので、男子を参考にしてやっていることが、自分たちの強み」と話し、松本は具体例として2016年リオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)に出場した男子ダブルスの早川賢一、遠藤大由組を挙げ「ノーロブ(※)もできるし、ロングリターンも上手い」と理由を話した。ノーロブ、つまり簡単には高い球を送らない。相手に素早いショットを打ち込まれても、相手にチャンスを与えず、強気で打ち返す超攻撃的ペアだ。
※編集部注:ロブとは、相手コートの奥に向かって、相手の頭上を越すように浮かせて打つショット。体勢を立て直す際などに用いられる。ノーロブとはそれを打たない事。
いつもと違うパターンでの戦い
永原が後衛、松本が前衛に。今大会では、いつもと違う“前後逆パターン”がハマった 【Getty Images】
「松本の方がアタック力はあるので、基本的には私が前の方が良い。でも、今はそれよりも、自分が後ろで松本が前の方が相手にプレッシャーがかかっているし、(前後)どちらもやる気持ちでやっているので、今はこの形が通用しているかなと思う」(永原)
甘いレシーブを返せない状況に相手を追い込む。この“前後逆パターン”に、永原は手応えを示していた。
永原のショットに対するレシーブで形勢逆転を狙う相手に対し、永原は構わずにスマッシュを連発。さらに松本がネット前からプレッシャーをかけ、少しでも甘い返球が飛んでくれば、すかさず飛び付いて高い打点から相手コートへたたき落とした。