阪神ドラ1馬場はここぞで力を発揮? 2軍首脳陣、高校先輩が語る右腕の強み

岡本育子

阪神のドラフト1位右腕・馬場。150キロの直球と多彩な変化球を操り、将来はエースの座を狙えるポテンシャルの持ち主だ 【写真は共同】

 2018年のフレッシュオールスターは、6月の出場選手発表から当日の試合終了後に行われた表彰式まで、北海道日本ハムのドラフト1位ルーキー・清宮幸太郎が話題の中心にいた。もちろん清宮とともにイースタン選抜のクリーンアップを形成した10代のドラ1トリオ(千葉ロッテ・安田尚憲と東京ヤクルト・村上宗隆)も、そして清宮に負けないホームランでMVP獲得となったウエスタン選抜の石垣雅海(中日)も、強く印象に残っている。

 そんな未来のプロ野球界を背負っていく若手の球宴で、最初にマウンドを踏んだのは阪神のドラフト1位ルーキー・馬場皐輔だった。まず巨人の松原聖弥をライトフライに、西武の金子一輝をセカンドゴロに、2球ずつで打ち取って2アウト。3番の清宮へは1球ボールのあと2球続けて空振りさせ、最後は133キロの変化球で空振り三振! 大きな拍手の中、3者凡退で初体験を終えた。

地元・東北で先発、清宮を三振に抑える

 この日、普段よりも笑顔の多かった馬場。試合前は「簡単に入りそうですよねえ」とフリーバッティングの打球を目で追いながらニコニコ。イースタン側のベンチを見て「あっち、テレビカメラ多いですね。あ、清宮? なるほど」と言ってニコニコ。ただし「清宮選手との対決は……?」と記者陣から話を振られると、白い歯を見せつつ無言でフェードアウト。出場が決まってから多くの人に同じ質問をされたのだろう。私も「対戦してみたい打者は?」と尋ねたが「いえ、特には」とかわされた。

 しかし、試合後に少し本音がこぼれる。

 表彰式が終わり、ベンチ前で話を聞いた。まず「楽しかったです!2回以降は応援したり、一塁ベースコーチをしたり」という感想。

 楽しめたのが何より?「はい。楽しかったですねえ! それと、いろんなピッチャーを見られたのが良かった。刺激される部分も、学ぶこともありました」。生まれ育った宮城県と同じ東北で開催の球宴に「投げられて良かったです。何とか抑えられたのも良かったですね」とホッとした表情も見られた。

 ところで、と核心に触れてみる。

 清宮は特に意識しなかった?「いや〜意識はありますね、やっぱり」と苦笑い。「抑えた方がいいので、抑えようとは思いましたね。2アウトまで2人でトントンと行って、最後に三振は取りたいなと思っていたので、ちょっとギアを上げて投げたってとこですね。三振は取りたかった」。なるほど、それで自慢の変化球?「スプリットです」。

 今回の経験は自信になる?「緊張する中で、ちゃんと体が動いて、コントロールもまとまっていたので、心の成長はできたかなと思います。プレーボールがかかって一番最初に投げるのは、今まで緊張して腕が振れなくなったりしたことがあったんですけど、きょうは自分のピッチングができた。初回の、いい流れが作れて良かったです。スピードは出ていなかったけど」。

 あとに出てきた投手陣の球速がどんどん速くなって……?「そうそう(笑)」。最後に登板した同僚の望月惇志が、この試合最速の155キロ。それまでも150キロ以上を出す投手が多かったのは、少なからず気になるようだ。

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著者プロフィール

兵庫県加古川市出身。プロ野球ナイター中継や、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって30年以上。ウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それから阪神の2軍を取材するようになり、はや20年を超える。

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