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すでにチーム100盗塁突破!
阪神2軍が『超積極的』に生まれ変わる

ウエスタン首位をキープ

阪神2軍の『超積極的』野球をけん引するドラフト3位ルーキー・熊谷(背番号4)。1軍でも快足を武器に、出場機会を増やしている
阪神2軍の『超積極的』野球をけん引するドラフト3位ルーキー・熊谷(背番号4)。1軍でも快足を武器に、出場機会を増やしている【写真は共同】

 2018年、阪神の2軍は大きな変貌を見せている。その根本となったのが『超積極的』という、今季から指揮を執る矢野燿大2軍監督が掲げたテーマだ。


 すべて最初が大事であり、打席では1打席目でヒットを打つ。初球から打ちにいって、それも一発で仕留める。塁に出れば初球から走る。常に次の塁を狙う。投手も同じく、勝負するところは一発で決める。この理念を選手たちは2月のキャンプから実践してきた。

 

 10年にリーグ優勝して以降は3位が最高で、昨年は1996年以来の最下位(当時は6チーム制の6位)に終わった阪神。ところが今季は5月初旬から首位をキープしている。4月28日から5月12日までの8連勝(引き分け1つを挟む)は、03年8月以来15年ぶりのことだ。


「2軍は勝つことだけが目標じゃないけど、勝った試合はみんながいいプレーをしているのが多いから、結果的には勝った方がいいと思う。首位にいるのはたまたま。でも、やる以上は勝つ試合をしていかないと。みんな2軍で野球をやりたいわけじゃないし、俺もここで終わらせるつもりはない。だから常に1軍だったらどうするか、1軍でこれが通用するか、ということを考えてやっている」と矢野監督は話す。

矢野2軍監督「みんなの可能性の数字」

 チーム成績を見ると防御率は上位ながら、打率や安打数、本塁打数などはウエスタン5チームの真ん中あたりで、守備率は下から数えたほうが早い。一方で、盗塁数が7月1日現在で109個と“半端ない!”。

 

 盗塁がリーグトップなんて、まさか阪神に限って……と思うのも無理はない。過去に赤松真人(現広島)がウエスタン最多盗塁のタイトルを獲得した05年と07年でさえ、チームの総数は80個台だった。NPB−BISでファームの記録集計が始まった91年以降で見ると、阪神のシーズン最多盗塁は00年の96個。その後は90個を超えていない。

 

 失礼ながら、実際あまり走らないイメージだった。今季は1試合で2度成功させたこともある重盗など、これまで滅多に拝めなかった。それなのに今季は開幕から61試合目、6月17日に総数が100を超えた。昨季と今季の月別盗塁数を見ても、違いは一目瞭然だ。

 

<昨季>

3月(12試合) 4個

4月(14試合) 8個

5月(22試合)13個

6月(17試合)11個

計 (65試合)36個


<今季>

3月(10試合)20個

4月(22試合)38個

5月(18試合)21個

6月(20試合)30個

計 (70試合)109個

 

 2月の安芸キャンプで行われた練習試合でも、3月のファーム教育リーグでも、ほとんどの試合で複数の盗塁を成功させた。公式戦に入ると、開幕カードのソフトバンク3連戦で計11個も成功している。


 盗塁だけではない。バッテリーエラーが起こった際も、わずかな隙を見てすかさず進塁する。それは足が自慢の選手でなくとも同じで、いつ誰が走るかわからない。われわれも、これまでのようにスコアを書こうと下を向いたら見逃してしまうので、油断できない。


 対戦相手のソフトバンク・的山哲也2軍バッテリーコーチに聞くと、やはり昨年までのイメージとはかなり違うようで「走っていますねえ。プレッシャー? 十分にかかっていますよ」という返事だった。


 なお、盗塁数が100を超えた時に、矢野監督はこう話している。

 

「ビックリした!この時期に100って。でも目指したわけじゃないよ。超積極的にやっていくことで、俺らが眠らせてしまっているかもしれない可能性を広げるのが2軍だと思う。アウトになってもいいから行け、どんどんチャレンジしろと言ってきた中、みんながそういう姿勢を見せ、いろんなアンテナが立ち始めて、これならいけると自分たちで可能性を広げた結果が、たまたま100個だった。みんなの可能性の数字」

岡本育子
岡本育子

兵庫県加古川市出身。プロ野球ナイター中継や、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって30年以上。ウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それから阪神の2軍を取材するようになり、はや20年を超える。

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