今季のラ・リーガは「退屈」だったのか 3強のシーズン評価をめぐる不毛な論争
アトレティコのシーズンは失敗だったのか
アトレティコはELで決勝進出まであと一歩と迫っている 【Getty Images】
アトレティコも興味深いシーズンを送っている。国王杯は準々決勝でセビージャに敗れ、CLではバルセロナを下して4強入りしたローマ、チェルシーらと同組だったグループリーグで敗退した。この時点で今季の目標とモチベーションを見失ったかに思われたが、ディエゴ・シメオネが率いる選手たちはヨーロッパリーグ(EL)制覇に向けて再び士気を高め、態勢を立て直すことに成功した。
アーセナルとの準決勝では、アウェーのファーストレグを1−1でしのぎ、リヨンで行われる決勝進出にまた一歩近づいた。さらにはラ・リーガでも2位の座を保っているシーズンに、失敗の烙印(らくいん)を押すべきではないだろう。
国内2冠と欧州制覇、より価値が高いのはどっち?
レアル・マドリーは3年連続のCL決勝進出に向けて視界良好 【写真:ロイター/アフロ】
これは非常に繊細なテーマであり、1つの答えにたどり着くことはないだろう。フットボールは論点の宝庫であり、個々がそれぞれの見方で意見をぶつけ合うのが常だからだ。
そうでなければ、セビージャはどうなるのか。CLではマンチェスター・ユナイテッドを破って60年ぶりに準々決勝進出を果たし、準々決勝では敵地でバイエルン・ミュンヘンを苦しめた。だがその10日後にはバルセロナとの国王杯決勝でショッキングな大敗を喫し、ラ・リーガは現時点でEL出場権も得られぬ7位、それも宿敵ベティスより下の順位にいる。
果たしてわれわれは、セビージャの今季をどう評価すべきなのか。国王杯のファイナリストとなり、CLでも8強入りしながら、ビンチェンツォ・モンテッラ監督の続投有無が議論されている現状は、そんな疑問を我々に投げ掛ける。
フットボールを巡る不毛な論争は、こうして延々と続いていくのである。
(翻訳:工藤拓)