乾貴士、リーガ3シーズン目の奮闘を語る バルサやレアルとの対戦は「毎回楽しい」

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エイバル加入3シーズン目、乾は過去最高のシーズンを送っている 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 エイバル3年目の乾貴士は、「監督のやりたいことも理解し、落ち着いて迎えられた」という今シーズン、過去最高の活躍を見せている。ここまでラ・リーガ28試合に先発して4得点。すでに昨シーズンの実績(26試合先発、3得点)を上回り、安定してチームに貢献し続けている。

 乾に加え、今シーズンはヘタフェで強い印象を残している柴崎岳も含め、リーガで日本人選手が地位を高めている。リーガのハビエル・テバス会長も、今週末に迫った第34節ヘタフェvs.エイバルの日本人対決をSNSと動画で後押しするなど、日本とリーガの距離は格段に縮まっている。

 21日の試合では、リーガ史88年において初めて、日本人同士の対決が実現するかもしれない。その渦中にいる乾は、今どんな気持ちでプレーし、チームをどう捉えているのだろうか。

 また、これまでにバルセロナやレアル・マドリーとも定期的に対戦してきた乾は、ビッグマッチでどんな違いを感じたのだろうか。独占インタビューで語ってくれた。

「もう一度できるか分からない」くらい活躍できたのは誇り

昨季最終節、バルセロナ相手に2得点を決めたことは「自分にとって誇り」 【Getty Images】

──昨シーズン最終節ではバルセロナ相手に2ゴールを奪いました。あの活躍は自分の中でどのように残っていますか?

 なかなかできることじゃないとは、正直思います。これからまだリーガでプレーしていくつもりですけど、もう一度同じことをやれと言われたらすごく難しい(笑)。「もう一度できるか分からない」くらいのことができたのは、自分にとっても誇りですし、うれしいことだったなと、今は思います。

──エイバルでの3シーズン目となる今季は、どのような思いでシーズンインしましたか?

 気負う感じもなく、監督のやりたいことも理解して入ることができました。ある程度、同じメンバーが残っていたので、すごく楽しみでしたし、3年間の中では一番落ち着いて開幕を迎えられたと思います。

──昨シーズンは28試合出場で先発26試合、エイバルも1部でクラブ史上最高の10位という成績を残しました。そして今シーズンはジョアン・ジョルダンやイバン・アレホが加入し、ライバルもいました。ポジション争いはどう捉えていましたか?

 自分がどんなプレーをするのか監督も分かってくれていたので、いつも通りやっていればチャンスはもらえると思って、最初はやっていましたね。

──しかし、開幕7試合にスタメン出場して、2勝5敗となかなか結果が出ませんでした。スタートダッシュで出遅れた原因は?

 エイバルのサッカーは前からどんどんボールを取りにいって、積極的にプレスをかけていくのが特徴ですけれど、それができなかった。守備がハマらなかったので、失点も多かった。みんなでプレスにいくところの意思疎通が全くできていなかった感じがします。チームとして監督のサッカーを理解するまで、時間がかかったのはあります。

──結果が出ないことで、ホセ・ルイス・メンディリバル監督解任の声もありましたが、チームの雰囲気はどうでしたか?

 監督が解任された方が良いという雰囲気は、選手間では全くなかったです。自分たちがまず何をやらなければいけないのか、勝てない自分たちのふがいなさなどが、選手の中に危機感を生んでいた気はしますけどね。

──その後、中盤戦以降は、乾選手への監督の信頼も増しました。チームの調子が上向いた要因は何ですか?

 レアル・ソシエダ戦(第11節)までのリーグ前半はなかなか勝てず、順位も下の方で、監督も3バックにしたり試行錯誤していました。それでも結局うまくいかず、選手の中に危機感が生まれた。そこで、自分は代表ウイークでチームを離れましたが、帰ってきた時にみんなすごく頑張っていて、雰囲気も悪くなかった。そして、その後のベティス戦(第12節)とエスパニョール戦(第14節)のホーム2試合で、みんなが気合いを入れ直して2勝することができた。それが、すごくでかかったですね。

 個人の目から見ても、それまであまりよくなかったセルジ・エンリクがベティス戦からすごくよくなった。特にベティス戦では前線からの守備を頑張っていて、そこで大勝できたのがチームの流れとして良かった。それ以降は上位にいけるようになりました。

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