村田諒太、試合中の課題修正でKO勝利 “強さの象徴”ゴロフキンとの一戦へ前進
ゴロフキンに勝つことが「世界一の証明」
インパクトを残す試合はゴロフキン戦への近道かもしれないが、まずは勝ち続けることが道を外れないための必須条件となる 【赤坂直人/スポーツナビ】
そのアラム氏は試合前「(村田を)ゴロフキンと東京ドームで試合をさせたい。それが私の夢だ」と明言。現在、WBAスーパー王者であり、ミドル級3団体(WBA、WBC、IBF)統一王者であるゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン=36)は、パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じて最強の選手を決めるランキング)で必ず3本の指に入るボクサーだ。世界でも激戦区と言われるミドル級で頂点に立つ選手を村田にぶつけたいと話していた。
村田自身もゴロフキンとの対戦は熱望しており、また尊敬の念も抱いている。「一緒にトレーニングキャンプをさせてもらったこともあるし、憧れの存在。強さの象徴みたいなところがある」と話し、また「彼に勝てば自分が(世界のトップに)リアルに行けるという存在で、一番、理想的な目標であり、目標として掲げるには理想的な存在」と評している。つまり、ゴロフキンに勝つということが、一番分かりやすい「世界一の証明」ということだ。
その戦いを実現するための最低条件が「勝ち続けること」。さらに近道となるのが、「インパクトを残す試合をすること」となる。村田は今回の試合で「及第点」にとどめたのは、“近道”ではなかったからかもしれないが、それでも一歩前進したことへの採点だったのだろう。
村田は東京ドームでの戦いを実現することができるか
一夜明け会見では「まずは体を休ませたい」と話した村田。しかし、5月からは再び次のステップへと歩き出す 【写真は共同】
今後のスケジュールについて村田は、「体自体が疲れているので、体を休ませたいなと。次戦はラスベガスという話も耳に入ってきているので、先を見据えた上で、次の試合に向けて今は休みたい」と、4月中は回復に努めるとした。ただ、5月5日(現地時間)には、米国ラスベガスでゴロフキンの防衛戦(対戦相手はメキシコのサウル“カネロ”アルバレスにドーピング違反があったため未定)があるため、「チャンスがあれば見たい」と現地観戦の可能性があると話した。また「ゴールデンウィークは休息という名の“家族サービス”というハードな仕事も待っている」と笑いながら答え、5月には再始動するとしている。
1990年2月11日にマイク・タイソンとジェームス・ダグラスが戦って以来、ボクシングの試合は東京ドームで開催されていない。四半世紀の時間をへて、村田がその夢舞台を実現することができるか。今後の展開を期待して見続けたい。