ハリル「中島は爆発的なスピードがある」 マリ戦、ウクライナ戦メンバー発表会見

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中島はドリブラーで俊敏、爆発的なものを持っている

本田圭佑や森重真人が代表に復帰。中島は初招集となった 【スポーツナビ】

 ここにリストを持ってきた。残念ながら国内外に多くのけが人がいる。それからプレー機会を失ってしまった選手、クラブの中でグループにも入れてもらえない状況の選手もいる。浅野(拓磨)や井手口(陽介)の2選手についてはとても悲しい。最終予選のオーストラリア戦で(ゴールを挙げ)ヒーローだった選手でもあるが、現在の状況は難しくなっている。彼らは今回はリストに入っていない。この状況が続けば、本大会でもリストに入らない可能性がある。選手の選択の話になるが、ポジションごとに新しい選手も呼ぼうと思っている。

 今回の合宿は役割を完璧に遂行してもらわなければならない。皆さんもご存知のように、国内も海外も私も(選手を)見に行っているし、スタッフも見に行っている。ただわれわれの分析では、現段階では本大会出場に向けてまだトップフォームになっていない選手が多い。そういったことで、今必要な選手を考えて、そういった選手にはトップパフォーマンスに戻ってきてほしいというメッセージを込めて、今回から選出している選手もいる。

 本大会に向けて2週間、3週間の準備で終わりというわけではない。直近の6カ月が大事。パフォーマンスを保って、ハイペースのリズムを保って、高いレベルの試合を継続することが大切だ。ロシア本大会で日本代表はたくさん、かなり早く走ることが要求される。リズムの変化がたくさん必要になる状況になると思う。今回は26人を選んだ。前回の合宿でもそうだったが、だいたい2、3人けがをする。長い移動もあって疲労回復が難しいということもある。それから最終リストに入れるかの見極めもしていかなければならない。私が就任してから、かなりの選手にチャンスを与えようとしてきた。資格がある選手であれば、最終リストに入るだろう。たくさんの選手にチャンスを与えてきたつもりだ。

<メンバー26名>

GK:
川島永嗣(メス/フランス)
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)

DF:
長友佑都(ガラタサライ/トルコ)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
宇賀神友弥(浦和レッズ)
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
昌子源(鹿島アントラーズ)
遠藤航(浦和レッズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)

MF:
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
山口蛍(セレッソ大阪)
森岡亮太(アンデルレヒト/ベルギー)
柴崎岳(ヘタフェ/スペイン)
大島僚太(川崎フロンターレ)
三竿健斗(鹿島アントラーズ)

FW:
本田圭佑(パチューカ/メキシコ)
小林悠(川崎フロンターレ)
大迫勇也(ケルン/ドイツ)
原口元気(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
宇佐美貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)
杉本健勇(セレッソ大阪)
久保裕也(ヘント/ベルギー)
中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル)

 GKは3人。現段階のパフォーマンスにすべて満足しているわけではない。もっと向上してほしい。右サイド、ヒロキ(酒井宏)は日本人選手の候補の中では、まれに見るほど継続的にしっかり高いパフォーマンスを見せている。そしてここ最近調子がいい浦和の遠藤。昨夜の試合で遠藤は少し問題が起きて、今検査をしている段階だと聞いている。だが、バックアップはすでに用意しているので、何が起きても問題ない。

 左サイドバック、ユウト(長友)はクラブを変えたにもかかわらず、継続的に試合に出ているのはうれしい。本当に日本代表に必要な選手だ。彼の存在は代表に不可欠。車屋と宇賀神の戦いはこれから始まるだろう。合宿をわれわれとそこまでこなしているわけではないが、右サイドでいけるのか、左サイドでいけるのか見極めなければならない。どこまでついていけるのかをこれから見ていく段階だ。

 昌子、植田、槙野、森重の真ん中。最初の3人はもっとできると思っている。そして森重をなぜ呼んだか。まだ彼は準備できている段階ではないと思う。すぐに使うわけでもない。ただ、彼がどのような状況かを見極めるため、励ますために呼んでいる。彼が以前のレベルに戻るかというところだ。もちろん、マヤ(吉田麻也)がいないということもある。彼の経験がわれわれにとってどこまで使えるのかという部分もある。森重はまだまだトップフォームには程遠い。モチベーションを上げるトライを彼としていかなければならない。早くレベルを戻してほしいと思っている。

 中盤のディフェンス陣。長谷部、三竿、山口。長谷部は真ん中も後ろもできる。本大会までけがなくいってほしいと思っている。いいパフォーマンスを続けているのが三竿。ホタル(山口)は常に呼んでいる選手だが、守備だけではなく、攻撃の部分でもっと野心をもってほしいと思っている。ただ代表ではいいパフォーマンスを続けていると思っている。大きな仕事をしてくれたイラク戦は忘れることはできない。われわれの最終予選を助けてくれた選手の1人だと思っている。

 攻撃的MF。大島は国内で優秀な選手の1人だと思う。彼もよくけがをするが、われわれはしっかりコンタクトを取って、そこから脱して今はいい状況を続けていると思っている。ガク(柴崎)と森岡は、シンジ(香川真司)と清武(弘嗣)は今いないので、10番のようなタイプの選手、8番のようなタイプができるのではないかと思っている。ガクはクラブでずっと先発というわけではないが、レベルが上がってきている。森岡は既に2、3回見たが、フィジカル的なところとデュエル(球際の競り合い)ではもっと伸びると思っている。ゴール数、アシスト数がリーグでトップクラスだが、ゲームのアクションの中でもっと伸びるプレーがあると思っている。

 FWの右サイド。久保も満足のいく状態ではない。ケイスケ(本田)もずっと追跡を続けているが、このチャンスをつかんでほしいと思っている。左サイド、原口と宇佐美は同じクラブでやっている。特に宇佐美はここ直近、点を取って伸びている状態だ。ある時期はチームで干されているような状況だったが、今は出てきた。原口も一緒だ。3人目の中島はたくさん試合に出ている。得点も取っているし、アシストもしている。ドリブラーでこれだけ俊敏で、爆発的なものを持っている選手は日本にはなかなかいない。前回、五輪代表監督だったテグ(手倉森誠)ともしっかり話をした。恐らく攻撃面で何かもたらせるのではないか、1対1でも何かもたらせるのではないか。守備の役割のところでは代表で私が要求しているレベルにはまだなっていないが、ちょっと様子を見たい。この合宿を通してどのような伸びを彼が見せるのか。あとは出すだけだと思う。

 真ん中。ユウコバヤシ、杉本、大迫。最初の2人はたくさん話して、ここ最近、本当に伸びてきていると思う。オフェンシブの部分で日本では素晴らしい結果を出してきていると思う。彼らは自分たちのプレーの仕方を変えて伸びてきている。真ん中の選手が何をすべきか把握している。アグレッシブにそれから背後で、ペナルティーエリア内でしっかり存在感を出してというところ。それから、相手の最終ラインからの組み立てを最初に防ぐこともしっかりやってくれている。われわれがここ最近見た試合でも非常によいパフォーマンスだったので、うれしい。これを続けてほしい。

 大迫はクラブでは真ん中ではなく、横にいったり、後ろにいったりしているが、素晴らしい得点を決めた。背後に素晴らしい要求をしたからだ。代表ではクラブとは全く違うアクションをしてほしいので、しっかりディスカッションをもう一度固めていきたい。常に(相手選手を)背負った状態でプレーするのではなくて、ゴールに向いて行ってほしい。3人とも素晴らしいヘディングを持っている。W杯本大会でもこれが重要になってくるだろう。もちろんフリーキックをもらえればの話だが。守備的にもしっかり守らなければならないので重要だ。W杯ではフリーキックが決定的な状況を作り出すこともあるので重要だ。

 今回は26人選んだ。ただ、しっかりバックアップも用意している。けが人が出た場合は彼らを呼ぶ。遠藤の状況がどうかということもある。

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