U-19W杯で活躍した“シンデレラボーイ” シェーファー・アヴィ幸樹が現状を語る

杉浦大介

日本代表として五輪に出たい

シェーファーと八村(左)のツインタワーが将来、五輪で見られるか 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――八村選手もNCAAディヴィジョン1のゴンザガ大に属しています。連絡を取ることはありますか?

 ちょこちょこですね。そんなに頻繁にというわけではないです。何かあったら連絡先は分かるので、たまに話すくらいです。

――ジョージ・ワシントン大の渡邊雄太選手と会ったことは?

 1度だけ。代表合宿に雄太さんがいたんです。ちょっと話をさせてもらいました。僕がまだ(プレップスクールの)ブリュースター・アカデミーに行く前なので、だいぶ前のことですね。僕にとって代表が目標になってからはお会いしていないので、まだそれほどの接点はないです。

――日本人の優れたプレーヤーがどんどん出てきています。アヴィ選手の将来の目標は?

 日本代表として試合に出続けることです。可能ならNBAにもちろん行きたいですけれど、それよりも僕は日本代表として五輪に出たい。今回(東京五輪)は出られるか分からないですけれど、今後はアジアの中でも強くなって、とにかく五輪に出るというのが目標です。

――将来的にアヴィ選手、八村選手がインサイドの軸になるという話を八村選手とすることは?

 塁とは直接はしていないですね。ただ、U−19W杯の韓国戦で、前半はあまり良くなかったのですが、後半に僕たちがツインタワーという形で2人で入って、第4クオーターに逆転したことがありました。あのときに他のチームメート、周囲の人たちからも、“日本の将来”じゃないですけれど、「このツインタワーが将来に見れそうだ」なんて話があったんです。自分でもそうできたら良いなとは思っています。

運命を変えた人、ロイブルHCに感謝

シェーファーは自身を見いだしたロイブルコーチへの感謝を口にする(写真は2006年) 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――2月の代表戦はカレッジのシーズン中なので無理ですが、6月に関しては話をしているのでしょうか?

 少しだけしか(話を)していないです。夏は米国でトレーニングすると思うんですけれど、今のところ5月初めに日本に帰って、代表合宿に参加する予定です。自分のレベルがどこまで上がっているかはまだ分からないので、とにかく合宿に参加して、必要だと思ってもらえるのなら、日本に残って試合に出るという感じになると思います。

――今後の夢は広がりますが、ロイブルHCはアヴィ選手の運命を変えた人という感じですね。

 そうですね。ロイブルさんには感謝しています。本当に(笑)。

――今でもアドバイスは受けるのでしょうか?

 アドバイスまではないですけれど、たまに連絡は取ります。本当にあの人が僕の恩人です。代表関連はすべてあの人から始まったので、恩返しするくらいのつもりでいつもプレーしています。

――ロイブルHCはキャリアの少なかったアヴィ選手に何を見いだしたのでしょうか。サイズとポテンシャルでしょうか?

 たぶんそうだと思います。バスケを初めて1年くらいのときにU−16の選手たちとプレーして、その時にバスケ歴が短い中でもポテンシャルを見てくれたのかと。“原石”じゃないですけれど……自分でそう言うのもなんか変ですね(笑)。

――いえいえ、その通りですよ! そうやってキャリアが急変し、カレッジの名門校にたどり着きました。ここでの4年間で何を成し遂げたいですか?

 それほど先のことまではまだ考えていません。とにかく来年、プレータイムをもらえるよう今から頑張ります。技術を底上げしたいです。大学ですごく成功するというよりは、実力をつけるのが目標。チームメートもうまい選手たちなので、日々の練習から吸収して、とにかくうまくなることが目標です。

参考にする選手はティム・ダンカン

――子供の頃はずっとサッカーをしていたそうですが、バスケを見始めたのは? 好きな選手はいますか?

 高校でバスケをスタートする前に、友達の誘いでNBAを少し見始めたくらいでした。その中ではブレイク・グリフィンが好きでしたし、あとはティム・ダンカンも好きですね。

――映像を見て参考にする選手は?

 ダンカンです。僕は身体能力でプレーする選手ではないので、そういう意味でダンカンは技術を持っていて、相手をうまくかわしていく。すごい選手だなと思って、参考にできるのなら(したい)という感じです

――渡邊雄太選手は、やはり日本人プレーヤーにとっては英語の上達が鍵になるとよく言っています。アヴィ選手は英語は普通にしゃべれるんですよね。学業の方は?

 英語は大丈夫だし、学校も大丈夫です。ジョージア工科大は頭の良い学校で、宿題なり課題なりは多かったりするのですが、割と普通に両立できています。悪くないと思いますよ。

――米国でのバスケと学生生活を満喫しているようですね。 

(満面の笑顔で)はい。日々本当に楽しいです。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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