Vリーグの新たな潮流を感じた金曜の夜 サントリーがホームゲームイベントを開催

月刊バレーボール

サントリーが金曜の夜にホームゲームを開催。さまざまな演出で観客を盛り上げた 【月刊バレーボール】

 1月12日に大田区総合体育館でサントリーサンバーズのホームゲームとして行われたV・プレミアリーグ男子2017−18シーズンのレギュラーラウンド、東レアローズとの1戦。それは、試合開始が金曜日の19時であることや会場でのイベントや演出など、これまでのVリーグで見られるものとは一線を画する内容だった。そんな“特別な夜”の模様を、訪れたファンやコートに立った選手、各関係者の声を交えながらレポートする。

イベントや演出、仕掛けが盛りだくさん

 19時の試合開始に先立ち、大田区総合体育館の開場時刻は16時45分に設定されていた。平日の夕方にもかかわらず、入り口には200人弱の来場客の姿があった。

 今回、先着100人には、サントリーの全選手と、試合前にミニライブを行う音楽グループ「Unlimited tone」(以下、アンリミ)のサイン入りボールが用意されていた。サントリーのファンだという男性は「(サイン入りボールが)どうしても欲しくて、仕事を休んできました」と明かすほど。ファンにとっては、たまらない逸品を手にし、満面の笑顔を浮かべていた。

 開場から30分後、今度はアンリミによるライブがコート上で始まった。3人組の実力派ボーカルの歌声が会場に響き渡る。「アンリミのファンなので、仕事帰りに来ました」という女性客の姿もあった。

 18時になると、客足も一気に増す。やがて始まった試合前のコート練習では、選手たちがアップに励む中、『SUNTORY SUNBIRDS SPECIAL COUNTDOWN』がスタート。これは選手が選んだ一押しソングを、ボイスメッセージを盛り込みながらカウントダウン形式で紹介するもの。気分が上がる曲もあれば、心に染みるバラードソングもあり、会場がホームであるサントリー色に染まっていく。

 そして、いよいよ会場の照明が落とされ、この“特別な夜”を彩るショーが始まった。昨シーズンまでサントリーに在籍し、現在はドイツリーグでプレーする柳田将洋選手(バレーボール・バイソンズ・ビュール)の応援メッセージに始まり、コート上ではマスコットのスーパーサンバーズくんがアゲアゲなパーティーソングに合わせて、軽快なダンスを披露する。

 その際、来場客はスマートフォンなどのカメラライトをつけるよう促されており、客席はまるでキラキラと星が輝く夜空のよう。観客もショーに参加することで、一体感が芽生えていく。

V・プレミアリーグの「“プレミア”ム・フライデー」

スタンドにはビールの売り子の姿が。“花の金曜日”の盛り上げに一役買った 【月刊バレーボール】

 会場のボルテージが高まり、プロジェクションマッピングによる選手紹介がスタートする。心臓を揺さぶるような重低音をBGMに、時折、スポットライトが当てられた選手たちがパフォーマンスを演じる。選手紹介が終わると、会場の照明がつき、試合前のショーはここでひと段落した。

 試合開始時刻を迎え、客席は満杯に。客席を見ると、サントリーらしい企画として用意されたビールの売り子の場内販売もあり、すでに心もおなかも? いっぱいになったお客さんもいたようだ。“花の金曜日”とくれば、仕事帰りの方々はおいしいビールに手を出してしまうというもの。サントリーの関係者は「やはり夜にビールを飲むのは気持ちがいい。大好評でした!」と語った。

 サントリーの栗山雅史も「仕事終わりのお父さんが多くいると感じました。ビールを飲んで、『栗山―!』と叫ぶ声も聞こえました(笑)」と振り返った。

 イベントや演出、企画も手伝って応援席は一体感をまとっていた。その空気をひしひしと肌で感じていたのが、サントリーの応援団長を務める川上明彦さんだ。常に盛り上げ、そしてチームを支える声を出すことを心掛けているという川上さんがファンを扇動する。応援の後押しもあり、チームは3−0で快勝を収めた。

「今日は皆さん一体となって応援ができました。ここ(大田区総合体育館)で行われた昨年11月のホームゲームでは悔しい結果だったので……。今回は何より勝ててうれしかった。やはりホームゲームですからね!」(川上さん)

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著者プロフィール

1947年創刊。バレーボールの専門誌として、その黎明期から今日まで、日本のバレーボールを取り上げ、その報道内容は、全日本、Vリーグはもちろん、小・中・高・大学生、ママさんまで、多岐に渡る。

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