【KNOCK OUT】金原正徳がキックに挑戦した理由 不可思戦は「格闘技人生の集大成」

長谷川亮

KNOCK OUT両国大会で、キックボクシング王者の不可思と戦う金原正徳にインタビュー 【スポーツナビ】

 キックボクシングイベント「KNOCK OUT」の旗揚げから1年。その集大成となる「KING OF KNOCK OUT 2017両国」が12月10日(日)、東京・両国国技館で開催される。

 2014年に総合格闘技の最高峰である「UFC」に参戦した金原正徳。初戦こそ判定勝利を収めたものの、その後に連敗を喫してしまいリリースとなった。16年末にDEEPで圧巻のKO劇を見せたが、17年は戦いの場にキックボクシングのリングを選んだ。

 7月の「ROAD TO KNOCK OUT.2」で元新日本キックボクシング暫定王者の中尾満と対峙(たいじ)し、5ラウンドTKO勝利。キックボクシング初戦を白星で飾ると、戦いたい相手として現RISEライト級王者の不可思を指名。ここから両国大会での一騎打ちが実現されることになった。

 今回は不可思との一戦を控える金原にインタビュー。キックボクシングへの挑戦を決めた理由、そして試合への意気込みなどを語ってもらった。

「挑戦者の気持ちを持ち続けたい」からキックボクシングへ

昨年末のDEEPでの試合後、気持ちにぽっかり穴が開いたが、キックボクシングへの挑戦が再び金原の闘争心に火をつけた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

――今年はすっかりキックボクサーとして過ごす1年になりましたね。

 そうなっちゃいましたね。まぁこれも人生、何があるか分からないし、自分はあまり逆らわないようにしています。誰と戦いたい、どこに出たいとかって願っても結局、無理なことは無理だし。でもふとしたタイミングやきっかけもあるので、こういうのって巡り合わせですよね。

――MMAから一転、キックボクシングへ出場するようになった経緯をあらためて教えてください。

 UFCをリリースされて、お世話になっている方たちのためにも日本で1回試合をしたいなと思って去年DEEPに出場させて頂いたんですけど、その後、気持ちにぽっかり穴が開いて。どうしようかなっていうのがありました。俺にとってはUFCが1番のゴールで、そこで夢がかなわなかったのでもう一度どこかでやり直すという気持ちにもなれなかった。そんなときに長南(亮)さんと練習していて「次どうするの?」っていう話になって、「分からないんですけどキックをやりたいんですよね」と言ったら、「小野寺(力「KNOCK OUT」プロデューサー)さんを紹介してあげるよ」って言われて、それで小野寺さんから連絡を頂いたんです。それは今年の初めでしたけど、まさかふと「キックボクシングに出たい」と言った一言から始まって、年末にチャンピオンとやることになるなんて自分でも想像していませんでした。

――MMAは一段落したけど戦う気持ちはなくなっておらず、キックボクシングはやってみたかったと。

 自分の中で常に挑戦する、挑戦者の気持ちを持ち続けたいんです。MMAで若手の人たちとやるのもいいことだと思うんですけど受けてしまう立場になるし、自分はそういう関係はあまり好きではないので、そういう意味でキックボクシングというのはチャレンジだと思います。柔術の試合はちょこちょこ出させてもらっていたんですけど、ストライキング(打撃)の部分で自分がどれだけできるかを試してみたかったというのもあります。やめる前に1回出たいなっていうのがありました。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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