久保「やれたのに負けたのが悔しい」 U-17W杯 イングランド戦後の選手コメント
久保は「やれない悔しさではなく、やれたのに負けたという悔しさ」と敗戦後の心境を表現した 【佐藤博之】
試合後、久保建英は「やれない悔しさではなく、やれたのに負けたという悔しさ」と敗戦後の心境を表現。「もっともっと高い景色を見たかった」と手応えをつかみながらも、結果が得られなかったことを悔やんだ。
久保建英(FC東京U−18)
(終わってみて率直な気持ちは?)試合がなくなってしまったのは悔しいです。(イングランドを相手にやれることをすべてやった結果だが、悔しいのか、満足感があるのか?)やり切っても負けたら意味がないです。(現在地を見極めたいと言っていた。良さは出せていたが、この先何を目標にしていくかイメージは持っているか?)ちょっと今は、正直まだ持っていません。
(もっとここが成長できると感じた部分はあったか?)今日も全然やれていて、勝てると思っていたので余計に悔しいです。やれない悔しさではなく、やれたのに負けたという悔しさ。本当にもったいないし、もっともっと高い景色を見たかったです。内容としてはチームとして十分、トップとできるくらい(のレベルにある)と証明できたと思います。
(次の目標はどこに設定しようというものは東京五輪か?)うーん、ちょっとまだそれは分かりません。
(森山佳郎監督は「個」の質を上げていきたいと言っていた。現在地と今後はどう考えている?)自分たちは足りないものはチームで補っていこうとしてやっていますし、そういう戦い方をしてきました。組織で戦うというところです。自分たちの力もあるけれど、もともと持っているのか培ってきたのかは分かりませんが、相手の方が速さとかを持っていることは試合前から分かっていましたけれど、それに対応できれば90分間やり切れたはずだと思います。
(U−20W杯も含めて世界大会を今年2回経験した。今後のキャリアにどう影響するか?)マイナスにはならないと思いますし、絶対にプラスになると思います。それもここから、出ていなかった選手も活躍するかもしれないし、これをプラスにするのもマイナスにするのも自分次第だと思います。
福岡慎平(京都サンガF.C.U−18)
キャプテンの福岡(10番)は森山監督の教えを胸に、さらなる飛躍を誓った 【佐藤博之】
(悔しい結果だけれど、戦う姿勢やチームのらしさは出せたと思う)グループステージは自分たちらしいサッカーがあまりできなかったし、戦う部分も出せなかったと思います。イングランド戦ではみんなでもう一度原点に戻って「泥臭く勝ちにいこう」と話していました。その中でゴリさん(森山監督)らしい、いい守備からカウンターでチャンスが作れたと思います。ゴール前でも(小林)友希が体を張って守ってくれました。PK(負け)という形でしたけれど、力の差は感じました。
(流れが悪い中で、キャプテンとしてどうチームを立て直した?)グループステージの2、3試合目はピッチ内の会話が少なくて、もっともっと改善しないといけないと思いました。(ニューカレドニア戦の翌日に)コーチからオフをもらい、その時にみんなでコミュニケーションをとって会話も増えましたし、いい雰囲気になっていってイングランド戦もいい雰囲気で臨めました。イングランド戦で勝てたら一番良かったんですけれど……。
(イングランドとやってみた感想は?)森山監督のもとでやった守備のプランが当たっていて、いい守備からいいカウンターで攻撃が何本かできていました。それは自信にもなりましたが、前半は少し消極的なプレーがあったと思います。後半は自信を持って、チャレンジャー精神を持って前にいけていたと思うので、それは今後の自信にしていけたらと思います。でも全然まだまだ足りない部分もあるので、日本に帰ってボランチとして(ボールを)奪い切れる選手になれるようにしたいと思います。
(イングランドの縦に早い攻撃に対して我慢強く対処していたが)そうですね。(平川)怜と、守備のときは縦関係になって間を締めたりというのはピッチ内でも話しながらやっていました。10番(アンヘル・ゴメス)をしっかりと抑えることができましたが、それでも崩してくるのがイングランドでしたね。難しかったですけれど、守備陣が頑張って無失点に抑えたことはチームとして自信になったと思います。これからもっと攻撃の部分で成長しないと世界では通用しないと思いました。決め切るべきところで決められれば絶対に勝てると思ったので、日本に帰って取り組みたいと思います。
(2年半を振り返って)ゴリさんのもとでプレーできて幸せでした。本当に世界一の監督にしたかったですけれど、僕の中では世界一の監督です。この2年半、このメンバーでやれて本当に楽しかったです。遠征がある度に楽しみで仕方がなかった。このメンバーで優勝して終わるのが一番でしたが、これから五輪とA代表があるので、そこでまたみんなと会えるように、優勝できるようにやっていきたいと思います。
(森山監督から学んだことは?)ファイティングスピリットを学びました。泥臭く勝つとか、球際で戦う部分は学びました。あとは自分のコントロールであったりパスの質という部分も上げて、ファイティングスピリットを忘れずに今後もやっていきたいと思います。
(具体的にどう改善していきたい?)イングランドのボランチは縦パスをつけるのがうまいし、ボールを奪われないキープ力があって、奪い切る力を持っていました。僕がこれからやっていかないといけないのは「動けて、強くて、質が高い選手」、そして「ボールを奪い切れる選手」にならないといけないと思いました。それはチームに戻ってやるしかないので、世界で活躍できるようもう一回しっかりとやっていきたいです。
(ボランチとして守備のスタンダードをどう考えている?)僕が目標にしているのは(ブラジル代表の)カゼミーロみたいな選手です。奪い切る力をつけないといけないのと、奪ってもつなげなければ意味がないので、そこからゲームをコントロールできるようになっていきたいです。
(延長戦があったら勝てたという思いは?)相手も3枚替えていて、けっこうきつかったと思います。延長があれば勝てたと思いますけれど、90分で決められるような力をつけないといけないと思います。決めるチャンスはいっぱいあったので、そのワンチャンスを決めることが世界との差を縮めるチャンスだと思います。ボランチからでも決めるチャンスはあると思うので、そういう選手になっていかないといけないと思います。
(キャプテンの重み、やりがいは?)上のカテゴリーに行ってもキャプテンをやりたいですし、チームをまとめる自信はあります。キャプテンをやって、いろいろなことをこの2年半で学びました。チームをどう引っ張るか、こういう状況でどうしたらいいのか。そういうものを僕からもっと会話をしていって、改善できるようなキャプテンになりたいです。キャプテンじゃなくてもしっかりチームやゲームをコントロールできるような選手になっていきたいと思います。
(このチームにおけるキャプテンの役割は?)キャプテンをやらせてもらいましたけれど、みんながキャプテンの気持ちでやってくれていました。負担がかかることもなかったし、谷晃生選手とか菅原由勢選手もキャプテンとしいう気持ちでやってくれていたので、それはよかった部分だと思います。(キャプテンの役割は)悔いなく務め切れたと思いますし、さらに強くなっていきたいと思います。
(クラブに戻ってからの意気込みは)トップに上がってもっとアピールして、いまの年代ならマンチェスター・シティやマンチェスター・ユナイテッドでもトップで出て当たり前の選手がイングランドにはいます。Jリーグで出られないと(世界では)やっていけないと思うので、しっかりスタメンを取れるように「個」を強くしたいと思います。