「後悔だけはしたくなかった」

（試合を振り返って）決め切れなかったので……、決め切るところだけでした。自分たちのサッカーはやれたんですけれど、最後まで決め切るところ決め切れませんでした。１対１の弱さがあったから負けてしまったと思います。（試合を通じてチャレンジしていたと思うが）後悔だけはしたくなかったので、終わったときに、（ボールを）１０回取られても自分が思い残すことは何もないようにしたかったので、積極的にいこうと思っていました。

（最初のチャンスでの積極的なプレーに気持ちを感じたが）フランス戦で少し安パイというか、仕掛ける回数が少なくて後悔しました。イングランド戦はボールを持ったら全部前に行こうと思っていて、シュートも打てたんですけれど、シュートは大会を通して１点も決められなかったので、もっと磨いていきたいと思います。

（２年半やってきたチームが今日で終わったが）今日で終わるという実感はないんですけれど、いままで切磋琢磨（せっさたくま）してきて、みんなで今日は後悔をしない試合ができて、誰も後悔しない。本当にいいチームだったと思います。

「犠牲心がいい守備につながった」

（イングランドのどのあたりを一番警戒していた？）左サイドハーフのドルトムントの選手は要注意人物ではありました。「個」の差はありましたけれど、僕たちは「個」よりはグループで守るということを徹底していて、昨日、一昨日とチームで話し込みましたし、話し込んだことが今日の内容につながったと思います。

（最後まで体を張ることが徹底されていた）あれが森山ジャパンです。あれが監督から植え付けられているものなので（笑）。「戻らなきゃ」で戻るのではなく無意識で戻るようになっているので、森山監督が僕たちの体に乗り移っているみたいな感じでした。

（見ていて感動するぐらいの奮闘だったが、特別な感情があった？）特別なことをしたとは思っていません。若いですけれど、１７歳でも日の丸を背負って戦えるということは言葉では言い表すことができない特別なことだと思います。Ｗ杯という舞台で、ピッチの１１人に入るという責任もありました。入りたくても入れない日本の選手がいますし、（大会直前にけがをした）斉藤（光毅）選手や瀬古（歩夢）選手もここに立ちたかったと思いますし、彼らの気持ちが乗り移ったと思います。

（個の部分で戦えた手応えは？）相手の１１人の所属クラブを見るとプレミアリーグのトップチームばかりです。監督も「（選手の市場価値が）２００億円vs.１０億円」と言っていたと思いますけれど、僕たちは失うものがなかったし思い切りやるだけでした。負けたとしても自分たちにできることを全部出そうと考えていましたし、負けたので気持ちよくはないですけれど、出せる力は全部出せたので、「あとは結果だけ（欲しかった）」という感じですね。

（守備陣でどんな話をしていた？）自分たちの中で「こう来たら、こうしよう」というのは徹底していましたし、もし１人かわされても次はおれが行くという犠牲心というものを全員が持ってやれたから、こういう守備につながったと思います。

「大きな財産、かけがえのない時間だった」

（無失点に抑えた充実感とＰＫ負けの悔しさがあったと思うが）どんな形でも負けたので、ＰＫだから（仕方がない）ということではなくて、ＰＫでも自分はまだまだ伸ばせるところがあると思います。運だけで終わったと言われたくないですし、小さなところですけれど、まだまだイングランドに負けていたところを感じました。

　試合は、９０分を通してゼロに抑えたということは、自分の中で自信を持っていいと思います。それを過信に変えてしまうとこれから伸びないと思うので、まだまだ足りない。これから先のカテゴリにつなげていくために、この試合はすごくいい通過点になったと思います。

（足りないと思った部分は？）厳しいというか、ひとつひとつの質が落ちてしまうところが出てしまいました。あれがつながっていればとか、ミスしていなければもしかしたら点につながっていた部分もあると思うので、そういうところをもっとやっていかないと、上ではやっていけないと思います。

（次はＵ−２０の大会でリベンジしたい？）もう一度こういう世界の舞台でやってやりたいという気持ちがさらに強くなりました。東京五輪もそうですし、自分にとって目指す目標がまた増えたというか。年齢は下になりますけれど、自分たちはこの大会を経験したので、大きな財産というか本当にかけがえのない時間だったと思います。