「2020」を見据えた全日本男子の総括 取り組んできた方向性を貫くことが重要=バレー
「敗戦」その結果だけを見るのではなく
グラチャンで全敗に終わった全日本、「2020」を見据えて今シーズンを総括する 【坂本清】
「2020」への過程として
4年前もグラチャンは全敗に終わり、年末にゲーリー・サトウ監督(中央)は退任した 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
4年前から16年までのサイクルを振り返ると、世界選手権予選の行われた13年、前回大会のあと、当時のゲーリー・サトウ監督によるチーム作りは同年末をもって分断されている。新たに南部正司監督が就任し、若い選手を積極的に登用するチーム作りが14年から再スタート。同時に、大学生世代の有望選手たちに少しでも国外での経験を積ませるための流れが少しずつ整えられたが、これらの方針は、基本的には現体制にも引き継がれている。
ただ、南部前監督のチーム作りは、あくまで16年のリオデジャネイロ五輪に向けて実質2年強で進められる必要があった。結果的に目標達成はならず、そこでは「期間が短すぎた」という声も挙がったが、あいにくこのテーマに明確な答えはない。過去のケースなどから「4年でも短い、8年計画が必要」という意見もあるほど、これは検証に時間のかかる、複雑な問題なのである。少なくとも、チーム作りのサイクルに関して、日本は「短期間では難しい」という教訓を得ており、さらに東京五輪のメダル獲得という挑戦的な目標を掲げている以上、今大会の反省をベースに18年、19年とホップ、ステップを着実に踏んでいく道を外すべきではない。
ブランコーチが指導してきたことを、継続して磨くことが重要だ 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
取り組んできた方向性を貫いていくこと。フィリップ・ブランコーチが指導してきた戦術面に加えて、彼が浸透させてきた、細かな部分を追求していく姿勢を継続させること。「当たり前のプレー」を徹底させることが強さにつながる、という事実はあらためて確認された。まだ、今大会で十分に発揮できたとは言えないが、それらを形として、強豪相手でも日本のカラーとして打ち出していけるよう、磨き続けることが肝要である。