【DRAGONGATE】YAMATOのV7達成は!? ユニット解散は!? 今から分かるドラゲー秋のビッグマッチ

高木裕美

18日の大田区体育館大会で望月の挑戦を受けるドリームゲート王者・YAMATO 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 DRAGON GATEの秋のビッグマッチ「DANGEROUS GATE 2017」が18日、東京・大田区総合体育館で開催される。

 今大会では、3大タイトルマッチに加え、5ユニットサバイバルレース下位2チームによる敗戦ユニット解散マッチも決定。決戦を前に、団体の歴史や王座戦決定までの経緯、そして、ドラゲーマットの魅力の1つであるユニットバトルの流れについて振り返っていきたい。

 DRAGON GATEは、ウルティモ・ドラゴンがメキシコに設立した日本人ルチャドール養成学校「ウルティモ・ドラゴン・ジム 闘龍門」が始まりとなっている。ウルティモがWARなどに参戦していた縁で交流があったことから、元横綱・双羽黒こと北尾光司が結成した格闘技団体「格闘技塾 武輝道場」が協力、日本の兵庫県神戸市を拠点に「闘龍門JAPAN」を設立。1999年1月31日には東京・後楽園ホールで逆上陸の第1戦が行われ、当時から大きな注目を集めた。

 その後、闘龍門から独立したのを機に、旗揚げ5周年記念興行となった2004年7月4日の兵庫・神戸ワールド記念ホール大会から、DRAGON GATEに改称。地元・神戸や後楽園ホールを拠点に全国で巡業を行い、老若男女から幅広い支持を集めている。

“中年の星”望月が最年長王者記録更新なるか

 9.18大田区大会のメインイベントでは、オープン・ザ・ドリームゲート王者・YAMATOに望月成晃が挑む。

 YAMATOは昨年7.24神戸ワールドで鷹木信悟を破って4度目の戴冠を果たして以来、1年以上にわたり6度の防衛に成功。一方、望月は11年4月に第13代王者となった際に41歳2カ月の史上最年長記録を樹立。もし今回戴冠となれば、47歳8カ月での記録更新となる。

 望月は8.5京都・KBSホールでのタッグマッチで、YAMATOの仕掛けた全知全能のフランケンシュタイナーを切り返す形で3カウントを奪取。その3日後に行われた8.8後楽園で、YAMATOに対し王座挑戦を表明するも、そこにかみついてきたのがビッグR清水。

 清水も6.1後楽園で行われた「KING OF GATE 2017」Cブロック公式戦にて、砲丸投げスラムから丸め込む形で、YAMATOにわずか3分31秒で勝利していたことから、両者による次期挑戦者決定戦を9.5後楽園で実施。望月が14分49秒、腕固めで制し、昨年のKOG準決勝戦のリベンジを果たすとともに、王座挑戦権を手に入れた。

 いまや“レインメーカー”となった新日本プロレスのオカダ・カズチカが、かつて中学卒業と同時に単身メキシコにわたって闘龍門に入門するなど、DRAGON GATEも10代や20代前半でプロレスラーを目指した若者が中心となっている。そのため、武輝道場を経て合流した望月は、まだ30代の頃から選手たちに「おっさん」呼ばわりされており、12年9月には、同年代の永田裕志(新日本プロレス)、秋山準(現・全日本プロレス)と「アンチエイジングトリオ」を結成。昨年は秋山が「チャンピオン・カーニバル」を、今年は永田が「G1クライマックス」卒業を宣言するなど、一線を退く動きが続いていただけに、望月には“中年の星”として奮起を期待したいところだ。

ベテラン「CK−1」と新世代2人の激突

 オープン・ザ・ツインゲート統一タッグ選手権試合では、CIMA、ドラゴン・キッドの「CK−1」にビッグR清水、Kotokaの新世代コンビが挑む。

 CIMAとキッドは共に闘龍門1期生であるベテランコンビ。CK−1としての歴史は古く、07年夏の「Summer Adventure Tag League」にはタッグでエントリー。戦績は振るわなかったものの、翌年2.8後楽園大会にて、CIMAとキッド(KID)の頭文字、さらにはメキシコ修行時代に2人が愛用していたという香水の名に因み「CK−1」というコンビ名に決定。だが、その当時はツインゲート王座戴冠は果たせず。互いに別のパートナー時代を経て、16年11.3エディオンアリーナ大阪大会にて、ついにこの2人で初戴冠。以来、1年近くにわたり6度の防衛に成功している。

 その不動の王者組に対し、9.5後楽園のメインイベントで行われた6人タッグ3WAYマッチで勝利したKotokaが「いつまでも上から見下ろしてんじゃねえぞ」と王者コンビに挑戦表明。これに対し、CIMAも「誰が来ても挑戦を受ける」とその場で受諾。タイトルマッチが正式決定した。

 現在27歳のKotokaは、19歳でデビュー。本名が「椎葉琴香」であることから、一時は「CIBA」としてCIMAとタッグを結成したこともあった。また、現在24歳の清水も、昨年の「KING OF GATE 2016」でYAMATOに次ぐ準優勝の実績を残すなど伸び盛り。「ベテランvs.若手」の対立が、今後のドラゲーマットにどんな風を呼び込むのかも注目だ。

ブレイブゲート戦は「キス克服」が勝敗の鍵!?

 オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合では、王者ジミー・カゲトラにヨースケ♡サンタマリアが挑戦する。

 カゲトラはマリアも参加した8選手による王座決定戦を勝ち抜き、過去9度挑戦しても届かなかった同王座を3.20和歌山大会で初戴冠。これまで2度の防衛に成功しているが、8.8後楽園大会の試合後、マリアが突如現れ、カゲトラにキス。ダウンしたカゲトラを横目に、ベルトにもキスをして持ち去ると、8.26大阪でのタッグマッチでもカゲトラに濃厚なキスをお見舞いし、脱力させてチームの勝利を呼び込んだ。

 前哨戦となった9.5後楽園ではタッグマッチで対戦すると、マリアがカゲトラへのキスを封印した上で、必殺技の狙い撃ち♡で3カウントを奪取。敗れたカゲトラは「キスは初恋のころから苦手」と衝撃的な告白をした上で、「大田区までにキスを克服して、必ずこのベルトを防衛してみせる」と宣言。

 一方のマリアも「大田区では私の本気を見せる。呼吸困難で苦しくなるぐらい、私の濃厚なキスを味わわせてあげる」と予告している。

 マリアは素顔(渡辺陽介)、3代目超神龍を経て、13年11月よりオネエキャラに転身し、見事に開花。「ドラゲーマットの“紅一点”!?」として華やかなオーラを振りまくマリアに対し、ジミーズ所属のカゲトラは、名前のごとく日陰的な目立たない存在。果たしてカゲトラが決戦までにどのようにして苦手なキスを「克服」してみせるのかが、勝利の分かれ目となりそうだ。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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