DeNA・ロペスが語る日本一への思い 「昨年の経験が自信につながっている」
来日1年目には巨人で日本シリーズにも出場。いまはDeNAで日本一を目指す 【写真:BBM】
ロペスがクリーンアップに座っていることで、DeNA打線が相手投手に与えるプレッシャーは格段に高くなる。今季は開幕から安定した数字を残しており、6月は月間打率3割3分、9本塁打、20打点と3部門で高い数字を残した。筒香、桑原将志の打撃が不調の時期にチームを支えたのは間違いなくロペスのバットだった。6月30日からはラミレス監督の打線の組み替えによって、筒香に代わって4番を任されている。
自分の数字よりチームの勝利が大切
まず、チームが3位という好位置に付けていることはうれしいことだね。自分自身もケガや故障なく全試合に出場できて(7月27日、家族の急病のため今季初欠場)、同じルーティンを続けて試合に臨めている。いい状態を保っているよ。
──ケガや故障なくプレーできているのは体のケアに気を配っているからですか?
そうだね。ここ数年はシーズンの途中でケガや故障で戦線離脱することが1度、2度はあった。昨年のオフは、いつもよりフィジカルの強化を意識してトレーニングを積んだんだ。とくに下半身を中心としたウエートトレーニングには時間を割いたよ。
──その成果もあってか、打点71はセ・リーグトップです(7月27日時点)。
もちろん打点は大事だけれど、どの数字も同じように大事だよ。けれど数字よりも大切なのはチームが勝つことだ。だから、自分の成績だけを意識しているわけではないんだよ。
──打撃に関して、昨シーズン終盤には30打席ヒットの出ない大スランプを経験しました。しかし、今シーズンは開幕から安定した成績を残しています。どこかが変わったのでしょうか?
特に大きな変化はないけれど、いいときも悪いときも同じルーティンを続けていることが要因だと思う。調子が下がり気味のときには、早出してバッティング練習をすることもあるけれど、極力ルーティンを崩さないことを心掛けているよ。数字をあまり気にしないことも結果につながっているのだと思う。
──2013年の来日以来、成績は年々、右肩上がりです。何が進化しているのでしょう?
技術的な部分よりも、相手のことをより知るようになったことが大きい。対戦する投手がどんな攻め方をしてくるのか、それにどう対処していくべきなのか。自分の中でプランを立てられるようになったことで成績が上がってきたんだ。過去の配球などをしっかりチェックしたりしてね。
──打者にはいろいろなタイプがいますが、ロペス選手は相手ピッチャーのデータをきっちり頭に入れるほうですか?
そうだね。特に映像で相手のことをチェックすることが多いかな。今年、ベイスターズが導入したVRもいいと思うけど、自分は主にビデオで研究しているね。
ラミレス監督は大きな存在
打順は監督が決めることで、まったく意識はしていない。与えられた場所で、自分のバッティングをすることを心掛けているよ。自分ひとりがどうこうよりも、野球はチームスポーツだからね。
──相手投手が投げる球種別の打率を見るとストレート(3割1分4厘)、ツーシーム(4割5分2厘)と真っすぐ系のボールに強い印象です。
ストレート系が特別に好きというわけではないけれど、プランを立てて打席に立つ中で、狙ったボールがたまたまストレート系が多くなっているだけだと思う。変化球を狙っていくことも当然あるし、苦手意識はないよ。
──ラミレス監督からはバッティングについてどんなアドバイスを受けていますか。
調子を下げているときなどよく話をしてくれる。監督は自分にアドバイスをしてくれる数少ない人間の1人であって、何より母国(ベネズエラ)のスペイン語でしゃべれることは心強いね。打撃コーチと並んで、自分にとっては大きな存在になっている。
──昨年は自身2度目のゴールデン・グラブ賞を獲得するなど守備での貢献も光ります。ファーストという守備への意識は。
野球の中でもとても大事な部分だと思っている。ファーストは投手と捕手を含めて5人の送球を捕球しなければならない。だからファーストのミスはほかの野手にも影響を及ぼしてしまうんだ。オフには守備を強化するためにトレーニングを積んだし、キャンプでもしっかり時間を費やしてきたよ。
──試合中には野手の逸れた送球やショートバウンドをうまく処理してアウトにして、投手を助けています。
野手にはそれぞれ特徴がある。セカンド・石川(雄洋)、ショート・倉本(寿彦)、サード・宮崎とそれぞれの送球の傾向、クセをつかむことはとても大切なことだね。しっかりと守備でもチームに貢献していきたいね。