14の日本記録持つ女子高生・池江璃花子 先輩引退で変化「私が頑張らなければ」
■池江璃花子を知る3つのポイント
・「14」の日本記録を保持。
・4月の日本選手権では女子として史上初の5冠を達成。
・バタフライと自由形を得意とする女子高生スイマー。
日本記録連発も世界の壁は厚く
今年の日本選手権で5冠、ジャパンオープンでは4冠を達成した池江璃花子。高校2年にして2度目の世界水泳に出場する 【写真:築田純/アフロスポーツ】
中学進学とともに頭角を現した池江は、2年時の日本選手権において出場全種目で決勝に進出。翌年の同大会では50メートルバタフライの日本王者となる。50・100・200メートル自由形でも3位に入り、世界水泳代表に初選出された。若くして日本トップスイマーの仲間入りを果たした池江だったが、世界に出るとやはり壁は厚かった。
中3の夏に出場した世界水泳(ロシア・カザン)では、リレーでリオ五輪の出場権獲得に貢献はしたが、個人種目の50メートルバタフライで予選敗退。7種目にエントリーした翌年のリオ五輪では、100メートルバタフライで予選から日本記録を連発する好調ぶりを見せたものの、メダルには及ばず5位(編注:着順は6番も、レース後に他選手のドーピングが発覚し繰り上げ)。その他の個人種目では決勝進出すらかなわなかった。
立場の変化 芽生えた自覚
同じく世界水泳代表の長谷川涼香(左)ら女子高生スイマーのなかでも、池江の実績、経験は飛び抜けている 【写真:築田純/アフロスポーツ】
「今年は(先輩たちが不在で)日本選手権という感じがしない。私が頑張らなければいけないなと感じています。下からもいろいろな選手が出てきているし、3年後を見据えてしっかり気を抜かないようにしたい」
こう自覚を持って臨んだ4月の日本選手権では、女子として史上初の5冠を達成した。続く5月のジャパンオープンでも出場種目で全勝し4冠。しかし、両大会で目標としていた「1種目でもいいから自己ベスト更新」は達成できずに終わった。
「体力や実力が去年の夏(=リオ五輪時)より少し落ちたのが要因かなと思います」
全勝ながらも悔しさをにじませていた池江。すぐさま世界水泳へと気持ちを切り替えた。
「今年はしっかりと世界水泳でメダルを狙うという気持ちを持っています。特にバタフライは意識しています」
まだ高校2年の池江にとって、今年の世界水泳は今後より強くなっていくための通過点に過ぎない。伸びしろを感じさせるレースをブダペストで見せてくれるはずだ。
(文:澤田和輝/スポーツナビ)
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