五輪メダリストら破り獲得した代表切符 青木玲緒樹、初の世界水泳へ
■青木玲緒樹を知る3つのポイント
・層の厚い日本女子平泳ぎ陣で代表権獲得。
・日本選手権では2冠。五輪メダリストの鈴木聡美に勝利した。
・大きく抵抗の少ないフォームが特徴。課題は前半。
層が厚い女子平泳ぎで長く辛抱し続けた
4月の日本選手権で2冠を獲得した青木玲緒樹(中央)。層の厚い女子平泳ぎにおいて、日本のトップとして世界水泳に出場する 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
青木は高校3年生の2012年に、ジュニアの国際大会に初めて出場。しかし、16年リオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)金メダルの金藤理絵(Jaked)、15年世界水泳金メダルの渡部香生子(JSS立石)ら、レベルの高い日本の女子平泳ぎ陣のなかでは、なかなかシニアの国際大会の代表権を獲得できない。大学生になった青木にとっては、長く、辛抱する時間が待っていたのである。
それでもくじけず、自分にできることをひたすらこなし、練習を重ねてきた青木にリオ五輪後、チャンスが訪れる。同年11月に日本で行われたアジア選手権の代表入りを果たし、100メートルでは2位、200メートルでは優勝を飾った。さらに12月の世界短水路にも出場した。大学4年間、辛抱を重ねた青木がチャンスをつかみ取り、世界への扉をこじ開けたのだ。
メンタル面の弱さ克服 日本選手権は2冠
競泳日本選手権最終日 女子200メートル平泳ぎ決勝 2分23秒24で優勝した青木玲緒樹(右)。左は2位の鈴木聡美=ガイシプラザ 【共同】
メンタル面の弱さが、青木が持つ本当の力を試合で発揮できなかった大きな要因だった。だが、努力を重ねてきたことで、確実に成長した。そして、気持ちの枷(かせ)を外したことで、その実力をようやく発揮することができたのである。
後半まで衰えない、大きく抵抗の少ないフォームが青木の泳ぎの特徴だ。それゆえに、スピードが出にくい前半が課題。強い気持ちを持ち、前半から攻めるレースができるかどうか。
だが、強い気持ちで代表権を勝ち取った青木は、きっとその課題も世界の舞台で克服してくれることだろう。青木が4年間をかけて積み重ねた『努力』を、青木自身が芽吹かせるときがきた。
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